BRI基準及びPhillips基準のいずれを用いるかにより結論が異なると明言したPPC Broadband事件

小野康英先生(Westerman Hattori Daniels & Adrian, LLP)による連載『米国特許法解説』を更新しました。

第15回:米国特許法の基本~米国特許商標庁の手続におけるクレーム解釈(その3)~

第15回:米国特許法の基本~米国特許商標庁の手続におけるクレーム解釈(その3)~(2020年1月20日)

「BRI基準及びPhillips基準のいずれの基準を用いるかにより結論が異なると明言したPPC Broadband事件」という非常に面白い内容です。また、次のような事態が起こり得るとも解説されており、非常に興味深く読みました。

特許侵害事件においては、まず、連邦地裁で特許侵害訴訟が提起され、その後、USPTOで当事者系再審査(EPR: Ex Parte Reexamination)(35 U.S.C. 302-307)又はIPRの開始申請がなされるというケースがある。その場合、同一のクレーム中の同一の用語について、連邦地裁はその用語をPhillips基準に基づき解釈し、USPTOのPTABはその用語をBRI基準に基づき解釈するという事態が生じ得る。
「(2)連邦地裁におけるクレーム解釈及びUSPTOにおけるクレーム解釈」より

【24の例文に見る】冠詞用法の違いがもたらす意味上の差異

「『科学論文の英語用法百科』から学ぶ特許英語」を更新しました。

【24の例文に見る】冠詞用法の違いがもたらす意味上の差異

今回は、「第2編 冠詞用法」の前書きに含まれている「冠詞の機能の概略」(p.4-8)における解説をまとめました。

12対の例文を用いて、冠詞用法の違いによって文章の意味が変わることが簡潔に解説されており、これは英語学習者にとって非常に有意義な解説であると考え、今回選びました。

特に、用例(7)と(9)は要チェックです。

特許翻訳者は判例を知っておくべき

特許翻訳者にとって、判例を知っておくことは重要だと思っています。例えば、米国においてなぜミーンズクレームを避ける出願人と逆に積極的に使用する出願人がいるのか、あるいはなぜプログラムクレームを記録媒体クレームとして書かなければいけないのか、などは判例を知ることで理由が分かってくることが多く、クライアントの指示の意図を汲み取ることができます。

私自身の判例の勉強を兼ねて、米国の主要な判例の概要を数行でまとめ、『米国特許用語集』に加えていくことにしました。まずは、特許対象(特許適格性、patentable subject matter; 35 U.S.C.§101)に関する以下の3つの判例についてまとめました。

・Diamond v. Chakrabarty, 447 U.S. 303 (1980)
http://beikokupat.com/uspatent_glossary/diamond-v-chakrabarty/

・Mayo v. Prometheus, 566 U.S. 66 (2012)
http://beikokupat.com/uspatent_glossary/mayo-prometheus/

・Alice Corp. v. CLS Bank International, 573 U.S. 208 (2014)
http://beikokupat.com/uspatent_glossary/alice-cls/

グレン・パケット著『科学論文の英語用法百科』から学ぶ特許英語~information~

paquette-tokkyoeigo_03

「グレン・パケット著『科学論文の英語用法百科』から学ぶ特許英語」を更新しました。

グレン・パケット著『科学論文の英語用法百科』から学ぶ特許英語 ~information~

今回は、Chapter 68のinformationについてまとめました。

前回「about」において、aboutはinformationと組み合わせても不自然ではないという解説がありました。この点について理解を深めたいと思い、今回はChapter 68を選びました。この点の他に、このChapterでは”information of”という表現について詳細に解説されています。それだけ”information of”の誤用が多いということであり、注意しなければならないと再認識しました。

グレン・パケット著『科学論文の英語用法百科』から学ぶ特許英語~about~

paquette-tokkyoeigo_03

『科学論文の英語用法百科』は、多くの翻訳者や研究者が愛読しています。この度、著者であるグレン・パケット先生の承諾を得て、各Chapterのポイントをまとめた記事を当社HPに連載することになりました。第1回目は、Chapter 2のaboutについてまとめました。今後、1ヶ月に1回程度の頻度で更新する予定です。

グレン・パケット著『科学論文の英語用法百科』から学ぶ特許英語 ~about~

特許図面の英訳に役立つ本

519ZIfihBcL

特許図面の英訳に役立ちそうな本を見つけました。

写真で見る 看板・標識・ラベル・パッケージの英語表現』という本で、アメリカの空港、電車、バス、ホテル、スーパー、レストランなどで目にする看板・標識・ラベル・パッケージなどに書かれている英語が写真とともに紹介されています。

もっと具体的には、カーナビの画面、クレジットカードの決済端末の画面、電子レンジ、空調、電話、洗濯機、自動販売機、コーヒーメーカー、食品ラベルなど、日常生活で見かけるものに書かれた英語が網羅的に記載されています。

こういった類の本としては、『Ultimate Visual Dictionary』という非常に有名な辞書がありますが、上記のような細かい部分の英語に関しては、『写真で見る』の方が詳しく、例も圧倒的に多いという印象です。

紹介されている英語は、商品上で記載スペースが限られていることから、非常に簡潔な表現になっている一方、伝えるべきことはきちんと伝わっているという特徴があると思います。これは、記載スペースが極端に限られていることが多い特許図面の英訳をする際に参考になるのではないかと思います。

BRIを理解するための良い例、Morris事件(In re Morris, 127 F.3d 1048 (Fed. Cir. 1997))

小野康英先生(Westerman Hattori Daniels & Adrian, LLP)による連載『米国特許法解説』を更新しました。

第14回:米国特許法の基本~米国特許商標庁の手続におけるクレーム解釈(その2)~

第14回:米国特許法の基本~米国特許商標庁の手続におけるクレーム解釈(その2)~(2019年6月17日)

前回のBRI (Broadest Reasonable Interpretation)を理解するための例としてMorris事件(In re Morris, 127 F.3d 1048 (Fed. Cir. 1997))が紹介されています。クレームが何回か補正されており、その遍歴から出願人の苦労が伝わってくるようで、非常に興味深く読みました。

USPTOのクレーム解釈基準はBRI (Broadest Reasonable Interpretation)

小野康英先生(Westerman Hattori Daniels & Adrian, LLP)による連載『米国特許法解説』を更新しました。

第13回:米国特許法の基本~米国特許商標庁の手続におけるクレーム解釈~

第13回:米国特許法の基本~米国特許商標庁の手続におけるクレーム解釈~(2019年3月19日)

前回は、裁判所におけるクレームの解釈基準であるPhillips基準についての解説でしたが、今回はUSPTOのクレーム解釈基準であるBRI (Broadest Reasonable Interpretation)についての解説です。裁判所はPhillips基準、USPTOはBRI基準でクレームが解釈されることを翻訳者は知っておきたいところです。

Phillips事件

小野康英先生(Westerman Hattori Daniels & Adrian, LLP)による連載『米国特許法解説』を更新しました。

第12回:米国特許法の判例~裁判所におけるクレーム解釈-Phillips事件~

第12回:米国特許法の判例~裁判所におけるクレーム解釈-Phillips事件~(2018年12月31日)

明細書、クレーム(米国では明細書の一部)、出願経過(prosecution history)を内部証拠(intrinsic evidence)といい、辞書や専門家による証言などを外部証拠(extrinsic evidence)といい、クレーム解釈においては内部証拠が優先して参照されるというルールについて解説されています。翻訳者は、内部証拠を作るという重要な役割を果たしている、という責任を改めて感じます。

米国特許法の基本~クレーム-特許前及び特許後における法的位置づけ~

小野康英先生(Westerman Hattori Daniels & Adrian, LLP)による連載『米国特許法解説』を更新しました。

『第11回:米国特許法の基本~クレーム-特許前及び特許後における法的位置づけ~』

第11回:米国特許法の基本~クレーム-特許前及び特許後における法的位置づけ~

今年の5月と9月に当社が主催した小野先生のセミナーにおいて、米国特許法ではクレームは明細書の一部という位置づけであるのに対し、日本国特許法では特許請求の範囲と明細書は別個の書類という位置づけであることが取り上げられました。今回の記事では、このことがさらに深く解説されています。