「その旨」とはどの旨か?

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私の会社には、現地代理人に宛てたレターやEメールの文章を英訳して欲しいという依頼がよくきますが、和文に「・・・その旨ご連絡ください」といった表現がたまに出てきます。英訳する際は、「その旨」がどの旨かをはっきりと書くようにしています。ただし、「その旨」の内容が次の例のように長くなってしまうことがあり(だから短くて便利な「その旨」を使っている)、このような場合は、和文全体を再構築して「その旨」を使わなくてもすむような文章構成にした方がいいかも知れません。

なお、米国特許商標庁のオフィス・アクション(包袋情報)がPatent Application Information Retrieval (http://portal.uspto.gov/external/portal/pair)から入手可能である場合には、オフィス・アクションの写しの別途添付は不要ですので、その旨を記載してください。
http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/pdf/highway_pilot_program/01.pdf

「はっきりと書く」に関連する面白い記事を見つけました。

「イラっとさせられる文章」に共通する3大NG
http://toyokeizai.net/articles/-/187658

曖昧なことを具体的に書くことで「全員が同じ解釈」できる文章にするという考えが記事全体を貫いており、これは英文ライティングにも応用できる考えだと思います。

『教えてパケット先生!学術英語Q&A』のお知らせ

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英文ライティング学習に関するお知らせをさせていただきます。

『科学論文の英語用法百科』シリーズをご存知の方は多いと思います。

日本人特有の英文の誤りを詳細に解説した人気シリーズで、
現在、第1編と第2編が出版されています。

第1編~よく誤用される単語と表現~

第2編~冠詞用法~

著者であるグレン・パケットさんが、
読者のためのQ&Aフォーラムを開いておられます。

『教えてパケット先生!学術英語Q&A』(https://www.enago.jp/academy/ask-english-expert/
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読者は学術英語に関する質問をすることができ、
パケット先生が回答して下さいます。

『科学論文の英語用法百科』シリーズの内容で
より詳しく知りたい事柄などがあれば、
Q&Aフォーラムで質問してみてはどうでしょうか。

質問はシリーズの内容以外に関するものでも構いません。
パケット先生から次のようなコメントをいただいています。

「皆様、英語についての疑問、悩みを聞かせてください!どのレベルのご質問も歓迎いたします。」

質問はQ&Aフォーラム上で公開されますので、
ご承知ください。

また、Q&Aフォーラムとは別に
『パケット道場~初級アカデミック英語講座~』
という講座があり、

英語論文ライティング
(特許英文ライティングと共通するところが多い)を
体系的に学べるようになっています。
https://www.enago.jp/academy/tips/

さらに、この講座を要約した入門講座もあります。
『初級アカデミック英語講座』
https://goo.gl/h5bbKs

これだけの内容が無料で公開され、
しかもQ&Aフォーラムでフォローアップまでしてくれるというのは、
私たち英文ライティングを学ぶ者にとっては有り難いことだと思います。

どうぞご利用ください。

深夜~朝方のサッカー観戦は日常

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昨日は早めに家に帰り、サッカーワールドカップのアジア最終予選、日本対オーストラリア戦をテレビで観ました。オーストラリア相手に若手選手が得点して快勝し、本大会出場を決める瞬間を観ることができました。小学校~高校とサッカー部員だった身としては、日本代表の試合が近づくと血が騒ぎ、観ずにはいられません。日本代表戦だけでなく、ワールドカップの他地域の予選も最近加入したDAZNでチェックしています。他にも、欧州選手権、コパ・アメリカ(これが意外と面白い)、欧州チャンピオンズリーグなども大半の試合をリアルタイムで観てきました。また、DAZNの出現により、めっきりテレビ放送されなくなったイタリア・セリエAをはじめ、観たい試合が増えました。海外の試合は、大抵が日本では深夜から朝方にかけて行われます。この場合、観戦した後に仮眠をとり、その後仕事に行くというパターンになります。DAZNによりこれが続くと仕事に支障が出るのではないかという不安もあるかもしれませんが、観たい試合は今後もなくならないので、日常的にあまり寝なくてもちゃんといい仕事ができるような体にするのがいいと考え、試合の放送がない日でも、深夜~朝方の間、本を読んだり経理をしたりして起きておく訓練をしています。こんなことをして、馬鹿じゃないかと思われるかも知れませんが、人生を楽しむというのはこういうことではないかと思っています。

チームで仕事をしていく

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先日、知り合いの特許翻訳者の方と話す機会がありました。そこで、なぜ私は特許翻訳の会社を作ったのかと質問を受けました。この質問は、特許翻訳者として仕事をするのであれば、個人事業主であればよく、わざわざ会社を作る必要はないのではないか、という考えからきているのだと思います。私が会社を作った理由は「いい特許翻訳がしたい!」(http://beikokupat.com/blog/?p=1)で書いています。また、もう1つ大きな理由を「当社の目的」(http://beikokupat.com/blog/?p=121)で書いています。ここに書いているように、当社のクライアントには百年以上の歴史があるところがあり、もちろん、その歴史はこれからもずっと続いていくことが予想されます。このようなクライアントに、求められる限りずっと良いサービスを提供していくこと、また求められるように努力していくことを当社の理念としています。そのためには、良いサービスを提供し続けるために、良い特許翻訳者を育成していくことが必要で、カリスマ的翻訳者を中心に業務が回り、カリスマがいなくなった途端サービスの質が落ちるというようなことがあってはいけないと考えています。このためには、法人化して特許翻訳者を育成して働く場を作ることが必要だと考えました。また、歴史あるクライアントを相手に個人事業主として一人で業務を請け負っていると、いつか引退するときがきて、「今日で引退するのでもう仕事は受けられません」といった状況が予想され、これまで可愛がってくれたクライアントに対して失礼なことになると考えています。あるいは、自分は生涯現役翻訳者だと標榜したとしても、いつ何があるかは誰にも分からず、案件を担当している最中に何かあって仕事を放り出さなければならなくなったとしたら大迷惑だと思います。このような理由で、私は会社を作って仲間とともにチームで仕事をしていこうと決めました。私は責任者として、特許翻訳者という職人としての技量だけでなく、労務管理や経理業務などを含めたマネジメントの能力が問われます。今後は後者により力を入れていきたいと思っています。

連載『米国特許法解説』を更新しました

連載・米国特許法解説_03

連載『米国特許法解説』を更新しました。

第2回:米国特許法の基本~米国特許法の法源~
http://beikokupat.com/us-patent/number2/

今回も濃い内容になっており、何度も読み返して勉強したいと思います。なお、以前ご紹介した阿川尚之著『憲法で読むアメリカ史(全)』(http://beikokupat.com/blog/?p=662)を読むと、この連載をより楽しむことができます。

米国特許業界におけるAI

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昨年、GoogleがAI技術を利用したニューラル機械翻訳(GNMT)を導入し、翻訳業界に影響を与えつつあるようですが、米国特許業界にも、AIの波が押し寄せているようです。

http://www.abajournal.com/news/article/patent_document_robot_legal_review

この記事で紹介されているように、RoboReviewという製品は、これから米国出願しようとしてるクレームを過去に出願されたクレームと比較して、特許性があるかどうか予測してくれるというものです。また、SmartShellという製品は、オフィスアクションに対する反論について、過去に行われた同様の反論がどのような結果になったかを表す統計を示してくれるそうです。もちろん、どちらの製品も、書類フォーマットを自動的に作成する機能が搭載されており、米国の法律事務所の多くで使用されているProLawをもっと進化させた製品と言えるかもしれません。

四則演算に関する特許英語表現

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特許明細書では、四則演算に関する表現が出て来ることがあり、これを私がどのように英訳しているかをご紹介したいと思います。四則演算とは、足し算(加算、addition)、引き算 (減算、subtraction)、掛け算 (乗算、multiplication)、割り算 (除算、division) のことです。そして、加算の結果を和(sum)、減算の結果を差(difference)、乗算の結果を積(product)、除算の結果を商(quotient)といいます。例えば、「Xは、AにBを加算してYに送る」という原文があるとすると、XがYに送るのはAとBの和なので、the sumという表現を補足して”X adds B to A and sends the sum to Y”のように英訳します。この例では、原文に「和」という表現が隠れていますが、場合によっては「加算結果」という表現を使用して「Xは、AにBを加算して加算結果をYに送る」と明示されていることもあります。この場合でも、加算結果は和のことなので、上記と同じ英訳にしています。ここでthe sumと定冠詞が付いているのは、AとBの和は一つしかない、といった特定感が出るからです。クレームにおいては、lack of antecedent basisの問題があるため、いきなりthe sumとするのではなく、例えば最初に”a sum of A and B”や”a sum obtained by adding B to A”のように表現して、それ以降はthe sumとすることが考えられます。

最も便利なトラックボール

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トラックボールは欠かせない仕事ツール』において、ケンジントン社のトラックボールがいいと書きましたが、ケンジントン社のどのトラックボールがいいのかという質問をいただきました。私はこれまでケンジントン社のほぼすべてのトラックボールを試してきましたが、個人的に断然使いやすいのは、写真のSlimBlade Trackballという最上級モデルです。SlimBlade Trackballが非常に便利な点は、画面をスクロールするときに、画面右端のスクロールバーをクリックし続ける必要がなく、ただ画面上でボールを動かすだけで画面が上下に動くという点です。機能としてはノートPCのキーボード側にある操作パッドやトラックポイントと同じで、SlimBlade Trackballはこれらをもっと操作しやすくしたものだと思います。家電量販店で、数種類のトラックボールを使い比べることができるコーナーが設けられていることがあるので、ここでSlimBlade Trackballとその他とを使い比べてみるといいかも知れません。

新連載『米国特許法解説』

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当社のウェブサイトにおいて、『米国特許法解説』という連載が新しく始まりました。米国特許法を中心に、市販の本には書かれていない情報を含む様々な情報を紹介していく予定です。執筆を担当するのは、弁理士であり米国弁護士である小野康英先生です。小野先生は、当社のアドバイザー的存在で、日頃から様々な助言をいただいています。当社は、米国特許法などについて自分たちで日々研究していますが、やはりそれだけでは足らず、専門家による助言や情報提供が必要です。小野先生には、こういった役割を担っていただいており、非常にお世話になっています。今回、米国特許法に関する連載の執筆を依頼したところ、ご多忙にもかかわらず快く引き受けて下さいました。私は一読者として、毎回記事を読むのを非常に楽しみにしています。

連載『米国特許法解説』
http://beikokupat.com/us-patent/
第1回:米国特許の基本~米国特許法及び米国憲法の関係~
http://beikokupat.com/us-patent/number1/

米国特許の入門書

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本棚を整理していたら、『The Pocket Idiot’s Guide to Patents』という本が出てきました。この本は、新規性や非自明性、仮出願などの米国特許の基本が分かりやすく解説されている本です。書かれている英語も平易で理解しやすく、簡単に読み進められます。”Idiot’s Guide”シリーズは、著者によっては英語ネイティブでないと理解し難いようなユーモア表現などが散りばめられており、著者のノリについていけなくなることがありますが、『The Pocket Idiot’s Guide to Patents』の英語はクセがなく、こんな分かりやすい英語を仕事でも書きたいと思わせるものです。10年以上前に出版された本で、古くて参考にならない(してはいけない)情報も含まれていますが、特許の考え方の基本は変わらないと思われるので、現在でも米国特許の入門書として十分に役に立つと思います。