映画を観る

米国特許訴訟をテーマにした稀有な映画“Flash of Genius”(『幸せのきずな』)

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昨年開いたセミナーにおいて、“Flash of Genius”(邦題:『幸せのきずな』)という映画を紹介しました。これは、米国特許訴訟をテーマにしている非常にめずらしい映画です。Robert Kearnsという大学教授が、自身が発明して特許を取った自動車用間欠ワイパーを無断で使用されたとして、フォード社や(当時の)クライスラー社を相手取り特許侵害訴訟を起こし巨額の賠償金を勝ち取った実話がもとになっています。個人という弱者が大企業という強者に勝つというのはそれだけで興味をそそられる題材ですが、これが実話だというのがこの話をさらに面白くしていると思います。この無謀ともいえる戦いではKearns氏の代理人になってくれる弁護士がおらず、Kearns氏は自分で自分の代理をすることになります。氏が1人図書館に篭り特許の判例研究をするシーンが印象的でした。また、連邦地裁での特許侵害訴訟の模様(もちろん再現)を見ることができ、知財関係者には興味深いところだと思います。

またこの映画では、Kearns氏と家族との関係も丹念に描かれています(邦題が『幸せのきずな』となっているのも分かる気がします)。フォード社から和解の申し出があったにもかかわらず、Kearns氏は発明者としての名誉のために断り、10年以上に渡る訴訟に突き進んでいきます。そのために家族との間に心理的な溝が生じ、氏は家族も代理人もいないという文字通り孤独な戦いを続けていきます。最終的に勝訴したとはいえ、その代償はあまりに大きいと個人的に思いました。

この映画(のDVD)を観ていて、特許翻訳者として気になる点がありました。細かいことをネチネチと取り上げる性格の悪さがバレるのを覚悟で書きますが、私が持っているDVDでは、セリフのなかの“the Patent Office”が字幕では「特許事務所」になっています。文脈から、「米国特許庁」などにしないと意味が通らないところです。が、しかし、その他の部分では非常に簡潔で分かりやすい字幕です。その他の部分では素晴らしい仕事をしているのに、たった1点の間違いについてとやかく言ってしまうこの性格を直したいと思っています。

この映画、ストーリー自体が面白い上に特許英語の勉強にもなるオススメの映画です。

新宿での一日

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人と会う用事があり、久しぶりに新宿に行きました。新宿に着くと、急遽待ち合わせ時間が変更になり2時間ほど空き時間ができたため、この時間を利用して映画を観ることにしました。『美女と野獣』(実写版)と『帝一の國』という映画が時間的に都合がよく、どちらにするか迷いましたが、『美女と野獣』は過去のアニメ版を観たことがありストーリーを知っていたため、まったく予備知識のなかった『帝一の國』を観ることにしました。『帝一の國』、非常に面白かったです。高校を舞台にした政治闘争がテーマで、『白い巨塔』の教授選を彷彿とさせる一方で、コメディーのため、会場内が終始笑いに包まれていました。

新宿での予定を終えた帰り、ふとブックオフが目にとまり、立ち寄ってみました。英語関連のコーナーで『Hopes, love and dreams in New York』という、かつてNHKラジオで放送されていた英会話講座のテキスト本を見つけ、懐かしくなり思わず購入しました。私が学生のとき、NHKラジオ英会話を3年分しっかりとやれば英語がペラペラになると言われていました。私はこれを信じて毎日番組を録音し、1人ぶつぶつとその日のダイアログを完コピする練習をしたものでした。NHKラジオ英会話シリーズのなかでも、『Hopes, love and dreams in New York』は異色の内容でした。主人公夫婦が別居したり、経営していたレストランが他人に乗っ取られたりと、ストーリー自体が面白かったのを覚えています。主人公である夫が嫌なヤツで、その言動に共感できなかったというのも異色だったと思います。

この日はほぼ一日を新宿で過ごしましたが、尊敬する人の話を聞けたり、いい映画を観れたりと、充実した新宿滞在でした。

 

『007 スペクター』

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映画『007 スペクター』を観てきました。

前作『スカイフォール』から3年ぶりの新作で、
007ファンの1人として公開を
非常に愉しみにしていました。

スペクター』は『スカイフォール』の続編のような
かたちになると公開前の噂で知っていたので、
本棚に飾ってある『スカイフォール』のDVDを
前日に観直してから劇場に臨みました。

新作を実際に観終わって、
期待を裏切らない大満足の内容
という感想をもちました。

劇場は音響効果が抜群によく、
やはり007は劇場で観る映画だと
改めて思いました。

本当に前作からの続編で、
前作で死んだM(ジェームズ・ボンドの上司)の遺言に従って
ボンドが任務を遂行するという内容になっています。

ボンド役のダニエル・クレイグは
今回もムキムキの体にトム・フォードを纏い、
相変わらずの格好良さです。

007の新作が出る度に、
テーマ曲やボンドカー(アストンマーチン)、
ファッション、ボンド・ガールなどはもちろん注目しますが、

これらに加えて、悪役の非情な所業も
現実の世界を反映している(?)ような内容になっており、
いつも注意して観ています。

例えば、前々作『慰めの報酬』では、
ある業者が地域のダムを買収し、
水の売上を上げるためにわざとダムの給水量を下げて
水不足をでっち上げるという悪行に出ました。

スペクター』ではどんな悪行が出てくるか
注目していましたが、
今回も本当に現実に起こりそうな
(過去に実際に起こったかも知れない)ことが
描かれていました。

簡単に書くと、
各国政府の代表が出席する国際会議で
異議を唱えた国に対する報復のように見えるテロ攻撃が起き、
その国は後日異議を撤回するということが描かれています。

 

このように、
007は毎回見どころが多いシリーズです。

製作者のこだわりを劇場では
見逃しているかも知れないので、
後日DVDを買ってじっくり観るようにしています。