0年 0月 の投稿一覧

知識を共有する

私の会社では、
社員個々人がもっている知識やノウハウを
自分の中に溜め込まないようにしています。

それよりも、
出し惜しみせず
社員のみんなと共有するようにしています。

いろいろな方法で共有していますが、
その一つが『英文明細書マニュアル』という
社内マニュアルです。

私がこれまでの経験を通して得た
特許翻訳に関する知識・ノウハウを、
このマニュアルに詳細に書いています。

特に、
マニュアルの大半を占めているのは、
米国特許事務所での技術者としての
経験を通して得た知識です。

当時、技術者として、
たくさんのオフィスアクション対応を担当しました。

そして、
様々なクライアントから送られてくる様々な翻訳に
目を通す機会に恵まれ、

拒絶理由が出やすい翻訳はどのようなものか、
どうすればいい翻訳、特許になりやすい翻訳に
することができるのかが分かってきました。

こうやって得られた知識・ノウハウを
独立したときに1冊のマニュアルに
まとめ上げました。

これを、
社員スタッフとクライアントに配布して共有し、
全体の意思統一を図ってみんなでいい仕事を
することが狙いです。

さらに、
ノウハウはすべて一般に公開する
ことにしているので、
会社のブログにすべて書いています。
http://goo.gl/31jtll

製本版は印刷代などがかかるため
有料での販売となってしまいますが、

内容はブログで公開しているのと
ほとんど同じにもかかわらず、
毎月20冊程度注文があります。

自分がゼロから作ったものを
他の人も欲しいと言って
お金まで出してくれる。

マニュアル作成時は予想もしていなかったことで、
すごく嬉しく、励みになることです。

香港視察

経営者セミナーを受講するために
香港に行ってきました。

香港国際空港からMTRという地下鉄で
約25分のところにある香港島。

ここに中環(セントラル)という
アジア屈指の金融街があります。

中環のセミナールームで、
香港や世界各国で様々な事業をやっておられる
日本人経営者の講演を聴きました。

これからの日本経済の動向、
日本人経営者がめざすべき方向など、

日本から離れた環境におられる立場からの
新鮮な意見を聴くことができました。

翻訳者上がりの新米経営者としては、
他の経営者の話しを聴く機会を積極的に
とるようにしています。

昔から、
松下幸之助氏などの成功者の著書を
読むのが好きだったんですが、

現役の経営者の生の声を聴く機会は
あまりありませんでした。

聴いた話しをそのまま自分の仕事にも
活用できる訳ではありませんが、

経営者の語るマインドは
大いに参考になるものです。

セミナー場所が香港であってもどこであっても、
興味があったり、興味がなくても今の自分にとって
聴いておくべきと思ったセミナー・講演は、
時間の許す限り出かけるようにしています。

それにしても、
香港は日本にはない熱気・活気があって
面白い街です。

高層ビルなどの現代建築と
中国の歴史的な風情とが混ざり合って、

独特の雰囲気を醸し出している印象で、
個人的に好きな街の一つです。

いい仲間の集め方

私が会社を設立したときにまずやったことは、
会社の指針作りでした。

私がモットーにしている
「読みやすく分かりやすい翻訳」
の具体的な内容をCで始まる7つのキーワードに落とし込み、

『高品質「7つのC」』としてホームページに公開しました。
http://goo.gl/psCJTC

こうすることによって、
対外的に自分の会社を明確にアピールできるように
なった上、

「ああ、こうやっていけばいいんだ!」
とこれから進んでいくべき道を再確認することができました。

さらにもう一つ、予想外の嬉しいことが起きました。

それは、
志を同じくする仲間ができたことです。

現在当社にいる社員は全員、
ホームページで「7つのC」を見て賛同し、
自分もそれがやりたいと売り込んできてくれた人たちばかりです。

こういうヤル気のある人たちは、
入社前に当社のやり方を把握しているため、
入社の時点で既に当社との意思統一ができていると言えます。

もちろん、細かい部分での指導・擦り合わせは必要ですが、
それも「いい翻訳」のためという大義名分があるため、
新しいことへの理解は早い印象を持っています。

当初は、会社のポリシーを公開することに不安もありました。

ノウハウをすべて公開してしまっていいのだろうか?
他社に真似されないだろうか?
コカコーラのレシピのように、一子相伝的に極秘にすべきではないのか?

こんな不安はありましたが、
今ではノウハウをどんどん公開すべきだと思っています。

真似される可能性もありますが、
いい仲間・賛同者との出会いという
はるかに大きな収穫があるからです。

訴訟に強い米国特許の取り方のノウハウ

「訴訟に強い米国特許の取り方のノウハウ」
というセミナーに参加してきました。

米国特許弁護士である山口洋一郎さんが
毎年行っておられるセミナーで、
ほぼ毎年参加しています。

米国特許実務の最新情報が聞ける
貴重な機会です。

10:00~17:00という長丁場ですが、
1年に1回、1日かけて米国特許を
勉強する日にしています。

  • 今回のテーマは、下記の通りでした。
  • AIA(America Invents Act2014)改正後の制度運用の最新状況、
  • パテント・トロール対策の最新動向、
  • 訴訟に強い米国特許権の取り方

今回も、内容が濃く多少消化不良な
ところもありましたが、
大満足なセミナーでした。
パテント・トロールの問題が
広く一般化していることを再認識しました。

大阪の中小企業の社長さんと思われる人が、
自社所有の米国特許をトロール会社に売却
しようと思うがどうか、という面白い?質問を
されていたのも興味深かったです。

山口弁護士が毎回言っておられることで、
印象深い言葉があります。
翻訳が悪くて理解しにくいものは、
審査官は無視するため、
いくら書面やインタビューで説明しても無駄だと。

これを今回も言っておられました。
これを聞く度、
翻訳会社としてもっと精進していこうと
決意を新たにしています。

仲間を「巻き込む」

私は、2012年に「いい翻訳」をするための
特許翻訳専門会社を作りました。

会社設立の際、決めていたことがありました。

それは、よくフリーランスの翻訳者が節税目的でやるような、
社員が自分一人又は家族だけのワンマン経営又は家族経営にはしない
ということです。

自分一人だけで翻訳をやっていくと、
経験やノウハウを自分の中に溜め込んでしまう上、

自分が定年などで辞めたときに今までやってきた事業自体が
終わってしまうので、これでは面白くないと感じていました。

自分と家族が暮らしていけるだけの事業規模で
細々と翻訳をしていくよりも、

志を同じくする仲間を「巻き込んで」、
切瑳琢磨していい翻訳をやっていく方が絶対に愉しいし、

いつか自分がいなくなった後でも、
他の仲間が「いい翻訳」という会社のDNAを
受け継いで続けてくれるだろうと思いました。

社名を、例えば『㈱大島トランスレーション』のような
自分の名前を冠したものにしなかったのも、
ワンマン会社にしたくないという思いがありました。

これと同じことが、
『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』
http://goo.gl/RY7bcW
原書:『Built to Last: Successful Habits of Visionary Companies』
http://goo.gl/uih0yD
という本に書いてあり、勇気づけられています。

この本には、「長く続く会社にはカリスマ経営者は必要ない」と書かれており、
長く続いている実際の会社が詳しいデータとともに紹介されています。

私にはカリスマ的な素質はなく、
仲間とともにいい翻訳を愚直に追求していくことが使命だと思っています。