0年 0月 の投稿一覧

会社の規模拡大について

先日、ある求人広告代理店の方から、営業担当の社員を雇う予定はないかと聞かれました。今のところ私の会社には専任の営業担当は必要ないと考えているため、その予定はないと答えました。現在、私の会社では社内と外部の翻訳者を含め総勢10数名の人々が仕事に関わっています。翻訳会社としてはかなり小規模だと思いますが、現在のところ、これが私の能力で高い品質を維持できる最大限の規模だと感じています。会社を立ち上げて軌道に乗ってくると、経営者としては規模を拡大したいと考えるのが人情だと思いますが、拡大しようとしてクライアントを増やしても、いい翻訳者がいなければ質の高い翻訳を提供することが難しく、クライアントに迷惑がかかります。このことはこれまでに多くの翻訳会社が証明してくれています。まずいい翻訳者を育成して増える案件依頼に十分対応できる環境を整えた上で、新たなクライアントと取り引きを開始させていただく、というのが規模拡大の真っ当な流れだと思います。仕事を取ってくることが会社での存在意義である営業社員を雇い、いい翻訳者を確保できていないうちから闇雲に営業活動を行って質の低い翻訳を提供することはクライアントを馬鹿にした行為だと思っています。

効果に説得力をもたせるために工夫している点を「知財英語情報」に書きました

特許明細書には必ずといっていいほど効果が記載されていますが、効果を英訳するにあたり、説得力のある英文にするために当社が工夫している点をホームページの「知財英語情報」に書きました。主に、“otherwise”の重要性と便利さについて書いています。文脈によっては、原文に対応語がなくても“otherwise”を補足しないと、読み手に効果をきちんと伝えられないだけでなく、効果を自ら否定していると解釈されかねないと考えています。

『説得力のある効果にするための英文の工夫 ~「…を使用することにより」とotherwise~』
https://goo.gl/G4D4eU

今年も決算の時期が来ました

現在、当社は決算作業の真っ只中で、税理士と頻繁に打ち合わせをしているところです。前年度同様、今年度も売上、最終利益ともに増加し、何とか黒字を出すことができました。

税理士や経営者仲間と話していると、必ずと言っていいほど、会社をわざと赤字決算にするという経営上の選択肢が話題になります。赤字決算にすることによって、法人税の納付義務がなくなり、法人住民税や消費税のみを納付すればよくなります。つまり、法人税をケチるためにわざと経費などを多く計上して赤字決算にするという手法があります。この手法の根底には、払わずにすむものならば払いたくないという経営者の本音があります。これはケチに見えるかも知れませんが、会社を経営していると何が起こるか分からないため、1円でも多くのお金を会社に残しておきたいと考えるのは経営者として至極健全だと思います。

実際当社も、創業一期目に税理士からのアドバイスを受けてこの手法を取り入れ、赤字決算にして法人税を払いませんでした。ただ、二期目からはこれをやめ、黒字決算にして法人税もしっかりと納めることにしました。なぜかと言うと、1年間の頑張りを赤字で終えるということに対して何ともいたたまれない気持ちになり、このような気持ちで新年度を迎えるのは精神衛生上良くないと実感したからです。また、一期目を終えたとき、黒字を出して法人税をしっかりと払い続けて社会に貢献できる組織にしていこうと決意を新たにしました。もっとも、当社のような零細企業の納税額は、あってもなくても国庫にとっては誤差の範囲でしかないとは思いますが。しかし、決算を終えて法人税を払い終わると、いつも清々しさが残ります。

ファッション記事は構造表現の勉強になる

『良い特許翻訳者かは構造表現で分かる』(http://beikokupat.com/blog/?p=455)において、英語での構造表現力の重要性について書きましたが、英語での適切な構造表現を知ることができる情報源の1つとして、英語のファッション記事を挙げることができます。これは意外と思われるかも知れませんが、ファッション記事と特許明細書の読み方は似ているところがあります。ファッション記事ではファッションについて多くの場合写真を参照しながら説明し、特許明細書は図面を参照しながら説明することが多い点が似ており、またファッション記事で使われている表現を英文明細書にも使えることがよくあります。このように仕事に直結する発見があるのと、自分自身ファッションが好きなこともあって、私は時々英語のファッション記事を読んでいます。

ファッション記事を読むときは、図面付きの特許明細書を読むのと同じように、写真で確認しながら説明を読むようにしています。例えば、9月に行われたニューヨーク・ファッションウィークに関する記事を見つけたので読んでみました。

“Exclusive: Alexander Wang Does See-Now-Buy-Now His Way With a Capsule of Spring 2017 Pieces”
http://www.vogue.com/13490385/alexander-wang-spring-2017-buy-now-collection/

Alexander Wang’s neon-colored surf-core show at New York Fashion Week was one of the highs of the season that left guests feeling optimistic about fashion’s future—and with a long laundry list of items to covet. Luckily for #WangSquad members everywhere, the designer is releasing a selection of denim, T-shirts, and bags from the collection for immediate-ish purchase. We say immediate-ish because the release of the capsule collection arrives tomorrow, October 10, exactly one month after Wang’s riotous Spring 2017 show.

Among the lineup are shredded denim jackets and jeans in light blue and white, a series of bucket bags in neon coral and black, a new set of tees featuring the brand’s barcode logo in leopard print, and a neon fabric cuff complete with a metal chain that the brand is calling a “surf cuff”—the more dirty-minded Wang fans might see it ideal for another, sexier use. Up to you what to do with whichever piece catches your fancy, but you’ll want to hurry and scoop it up now. The full range of items arrives in select Alexander Wang stores, as well as online, tomorrow, and if the bevy of celebrities and It models who call Wang a friend are any indication, it will be selling out, stat.

2段落からなる短い記事ですが、英文明細書で使えそうな表現が見られます。特に2段落目は写真のシャツやバッグの柄や構造の説明をしており、特許翻訳者としては読んでいてとても勉強になります。例えば、“in leopard print”はleopardを入れ替えて「~柄がプリントされた」として使えそうです。“complete with~”は写真から判断すると「~とセットになっている」として使えるかも知れません。あるいは、オフィスアクションへの応答などにおいて、「Aは~があって初めて成立する」「Aは~がないと成立しない」といったニュアンスで使えるかも知れません。たった2段落読んだだけでもこれだけの収穫がありました。ついでに「見たその場で買える」を“See-Now-Buy-Now”と表現することも知りました。

ファッション記事の注意点としては、ファッションがセレブリティと密接に関係しているためにセレブ関連の説明が多く、ゴシップに通じていないとついて行けないことがあることです。あともちろん、そもそもファッションに興味がないと読む気にならないというのもあると思います。私がよく見ている『ファッション通信』(http://www.bs-j.co.jp/fashion/)(https://www.youtube.com/user/fashiontsushinCH)などはファッション情報に慣れるのにいいと思います。私はこの番組を見ることで誰がどのブランドのデザイナーをしているかなど、ファッション記事を理解するための背景が分かるようになりました。