0年 0月 の投稿一覧

チームで仕事をしていく

conference-2533871_640

先日、知り合いの特許翻訳者の方と話す機会がありました。そこで、なぜ私は特許翻訳の会社を作ったのかと質問を受けました。この質問は、特許翻訳者として仕事をするのであれば、個人事業主であればよく、わざわざ会社を作る必要はないのではないか、という考えからきているのだと思います。私が会社を作った理由は「いい特許翻訳がしたい!」(http://beikokupat.com/blog/?p=1)で書いています。また、もう1つ大きな理由を「当社の目的」(http://beikokupat.com/blog/?p=121)で書いています。ここに書いているように、当社のクライアントには百年以上の歴史があるところがあり、もちろん、その歴史はこれからもずっと続いていくことが予想されます。このようなクライアントに、求められる限りずっと良いサービスを提供していくこと、また求められるように努力していくことを当社の理念としています。そのためには、良いサービスを提供し続けるために、良い特許翻訳者を育成していくことが必要で、カリスマ的翻訳者を中心に業務が回り、カリスマがいなくなった途端サービスの質が落ちるというようなことがあってはいけないと考えています。このためには、法人化して特許翻訳者を育成して働く場を作ることが必要だと考えました。また、歴史あるクライアントを相手に個人事業主として一人で業務を請け負っていると、いつか引退するときがきて、「今日で引退するのでもう仕事は受けられません」といった状況が予想され、これまで可愛がってくれたクライアントに対して失礼なことになると考えています。あるいは、自分は生涯現役翻訳者だと標榜したとしても、いつ何があるかは誰にも分からず、案件を担当している最中に何かあって仕事を放り出さなければならなくなったとしたら大迷惑だと思います。このような理由で、私は会社を作って仲間とともにチームで仕事をしていこうと決めました。私は責任者として、特許翻訳者という職人としての技量だけでなく、労務管理や経理業務などを含めたマネジメントの能力が問われます。今後は後者により力を入れていきたいと思っています。

連載『米国特許法解説』を更新しました

連載・米国特許法解説_03

連載『米国特許法解説』を更新しました。

第2回:米国特許法の基本~米国特許法の法源~
http://beikokupat.com/us-patent/number2/

今回も濃い内容になっており、何度も読み返して勉強したいと思います。なお、以前ご紹介した阿川尚之著『憲法で読むアメリカ史(全)』(http://beikokupat.com/blog/?p=662)を読むと、この連載をより楽しむことができます。

米国特許業界におけるAI

RoboReview

昨年、GoogleがAI技術を利用したニューラル機械翻訳(GNMT)を導入し、翻訳業界に影響を与えつつあるようですが、米国特許業界にも、AIの波が押し寄せているようです。

http://www.abajournal.com/news/article/patent_document_robot_legal_review

この記事で紹介されているように、RoboReviewという製品は、これから米国出願しようとしてるクレームを過去に出願されたクレームと比較して、特許性があるかどうか予測してくれるというものです。また、SmartShellという製品は、オフィスアクションに対する反論について、過去に行われた同様の反論がどのような結果になったかを表す統計を示してくれるそうです。もちろん、どちらの製品も、書類フォーマットを自動的に作成する機能が搭載されており、米国の法律事務所の多くで使用されているProLawをもっと進化させた製品と言えるかもしれません。

四則演算に関する特許英語表現

sum_03

特許明細書では、四則演算に関する表現が出て来ることがあり、これを私がどのように英訳しているかをご紹介したいと思います。四則演算とは、足し算(加算、addition)、引き算 (減算、subtraction)、掛け算 (乗算、multiplication)、割り算 (除算、division) のことです。そして、加算の結果を和(sum)、減算の結果を差(difference)、乗算の結果を積(product)、除算の結果を商(quotient)といいます。例えば、「Xは、AにBを加算してYに送る」という原文があるとすると、XがYに送るのはAとBの和なので、the sumという表現を補足して”X adds B to A and sends the sum to Y”のように英訳します。この例では、原文に「和」という表現が隠れていますが、場合によっては「加算結果」という表現を使用して「Xは、AにBを加算して加算結果をYに送る」と明示されていることもあります。この場合でも、加算結果は和のことなので、上記と同じ英訳にしています。ここでthe sumと定冠詞が付いているのは、AとBの和は一つしかない、といった特定感が出るからです。クレームにおいては、lack of antecedent basisの問題があるため、いきなりthe sumとするのではなく、例えば最初に”a sum of A and B”や”a sum obtained by adding B to A”のように表現して、それ以降はthe sumとすることが考えられます。