Alice判決や英語表現などについて

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米国用の英文明細書に関する興味深い記事を読みました。“Changes in Patent Language to Ensure Eligibility Under Alice”という記事で、米国最高裁のAlice判決以降、独立クレームの文字数が顕著に増加しているという内容です。Alice判決以降、独立クレームをそれまでより詳細に書き、また明細書本文(Description)において効果(benefit statements)もより詳細に書く傾向が強まったということです。しかも、独立クレームでは、単に似たような表現を繰り返して文字数を増やしているのではなく、表現の1つ1つが意味のある限定になっている、と記事では分析しています。こういった傾向を知っておくことも、特許翻訳者にとって無駄ではないと思っています。こういう知識の積み重ねが、適切な判断の手助けとなり、いい翻訳へと繋がっていくのでしょう。

http://www.ipwatchdog.com/2017/12/06/changes-patent-language-ensure-eligibility-alice/id=90721/

Changes in Patent Language to Ensure Eligibility Under Alice

 

ちなみに、この記事で、特許翻訳者にとって非常に参考になりそうな次の英語表現を見つけました。

In other words, a repeated word would only count a single time in our analysis.

「同じワードは1ワードとしてカウントする」というような意味だと思いますが、“a repeated … count a single time”は特許翻訳で非常に応用が効きそうな表現です。この文章は、直前の文章の最後“by unique word count”を言い換えたものになっていますが、上記文章を“unique word count”の3ワードで表現できるというのも非常に勉強になりました。

Alice判決とは、『Federal Circuitで最も多く引用された判例』でも書いたeligibility(特許主題適格性)に関する判決で、本来特許を受けることのできない(ineligibleな)抽象概念などをコンピュータなどの特定の技術環境で実現しても、ineligibleであることに変わりはない、と米国最高裁が判断したものです。Alice判決はビジネス方法に関するeligibility判決で、病気の治療方法に関するeligibility判決であるMayo判決(101条(eligibility)の判断には102条(novelty)の判断が必要なときがあるとした判決)とともに、Mayo/Aliceテスト(2014 Interim Eligibility Guidance Quick Reference Sheet)というeligibilityの判断基準が確立され、この2つの判決はeligibilityに関して現在最も影響力のある判例とされています。その影響力は、クレームを打ち込むことによってAIによるeligibility予想が受けられるサイト(“Automated Analysis of 101 Eligibility”)が出現したことからも分かります。

Federal Circuitで最も多く引用された判例

http://alice.cebollita.org:8000/predict

Ask Alice!

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