下町ロケット「ゴースト」(一部ネタバレあり)

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『下町ロケット』の新作『下町ロケット ゴースト』を読みました。今年の秋から始まるテレビドラマの新シリーズ用に書き下ろされたものだそうです。第1作目と第2作目に負けず劣らず非常に面白く、買ったその日に一気に読み終えました。第1作目ではロケット用バルブシステム、第2作目では人工心臓弁がテーマだったのに対して、今作は自動車用などのトランスミッションがテーマになっています。主人公である佃航平が経営する佃製作所が、取引先である帝国重工の経営不振などの環境変化に対応するため、トランスミッションの製造に新規参入することになり、それに伴う紆余曲折が話の大半を占めます。そして今作も、お約束(?)の特許侵害訴訟があり、弁護士が先願の地位を悪用したクレーム補正を行ったことが明らかになります。この手口には呆れたと同時に、そうか、そんな悪事のしかたがあったのか、と感心させられました。また、今作も様々な熱い言葉が並んでおり、kindle上でたくさんハイライトしました(『可能性ってのはね、探せばいろんなところに落ちてるもんだ。諦めるのはまだ早いよ』『会社だってひとと同じでさ。損得以前に、道義的に正しいかが重要なんじゃないのか。相手のことを思いやる気持ちや、尊敬の念がなくなっちまったら、そもそもビジネスなんて成立しない』など)。1点気になったのは、帝国重工の経営悪化に伴い同社のロケット事業であるスターダスト計画の中止が検討され、ロケット事業部部長の財前が退任したものの、スターダスト計画自体が中止になるのか存続するのかがはっきりしないまま話が終わってしまった感があることです。ひょっとしたら、近く続編が出るのかも知れません。とにかく、今作がテレビドラマでどんな風に描かれるのか、今から非常に楽しみです。

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