相対的表現(程度を表す表現、主観的表現など)8 ~not interfering substantially~


“Supplementary Examination Guidelines for Determining Compliance with 35 U.S.C. §112 and for Treatment of Related Issues in Patent Applications” (Feb. 9, 2011)

Enzo Biochem, Inc. v. Applera Corp. (Fed. Cir. 2010)

代表的なクレーム:
usp5328824_1usp5328824_2

U.S. Patent No. 5,328,824 (http://www.freepatentsonline.com/5328824.html)

背景の説明
裁判所は、この特許クレームは窒素塩基“B”が直接又は“連鎖群”(linkage group)を介して化学部分“A”に共有結合した化合物に係るクレームであるとの説明を行った。裁判所はまた、連鎖群は構造的表現で記載されておらず、その代わりに「ハイブリッド形成に実質的に干渉しない」(“not interfering substantially with” hybridization)という機能的表現によって記載されているとした。

分析
裁判所は、内部証拠(クレーム、明細書、審査経過)を検証し、連鎖群がハイブリッド形成(ハイブリダイゼーション)に実質的に干渉するときとはどのようなときかを当業者が理解できるかどうかを判断した。その結果、裁判所は、どの程度の干渉までなら許容されるかについてのガイダンスがクレーム自体に記載されていると判断した。その理由として、裁判所は次の点を挙げた。

・従属クレームにおいて、連鎖群が-CH=CH-CH2-NH-構造を有することが明記されている。
・当業者は、従属クレームに記載の構造が独立クレームに記載の機能を実現できると予想するであろう。

裁判所また、明細書に好適な連鎖群の例とともに、連鎖群を選択する基準が記載されていると判断した。例えば、明細書において、「連鎖群は一級アミン由来であることが好ましく、-CH2-NH-構造を持つことが好ましい。このような連鎖群は周知のアミン修飾反応を利用して容易に形成できる。」と説明されていると裁判所は指摘した。

裁判所はまた、明細書において、「ポリヌクレオチドの熱変成プロフィルとハイブリダイゼーション特性を、連鎖群によるハイブリッド形成の干渉の程度を判断する基準として使用することができる」と説明されていると裁判所は指摘した。

さらに裁判所は、審査経過(prosecution history)を検証し、審査中に37 C.F.R. §1.132に基いて提出されたデクラレーションにおいて、8種類の連鎖群がハイブリッド形成又は検出に実質的に干渉しない連鎖群として宣誓されている、と指摘した。

結論
裁判所は、“not interfering substantially”は数値による明確な測定によって定義することはできないものの、内部証拠において、当業者がクレームの保護範囲の判断を可能にするガイドラインと例が記載されているため、クレームは35 U.S.C. §112¶2に基いて不明確ではないと判断した。裁判所はまた、特定の連鎖群がハイブリッド形成に実質的に干渉する又は干渉しないことを当業者が判断するにあたり、当業者は修飾ヌクレオチドの熱変成プロフィルとハイブリダイゼーション特性を参照し、これらが内部証拠に例示されている数値範囲内であるかどうかを判断すると思われる、と述べた。
MPEP 2173.05(b) “RELATIVE TERMINOLOGY”参照


カテゴリ: 日英知財研究

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