保護範囲が広いことと不明確であることは異なる ~Ultimax Cement Mfg. Corp. v. CTS Cement Mfg. Corp. (Fed. Cir. 2010)~


“Supplementary Examination Guidelines for Determining Compliance with 35 U.S.C. §112 and for Treatment of Related Issues in Patent Applications” (Feb. 9, 2011)

Ultimax Cement Mfg. Corp. v. CTS Cement Mfg. Corp. (Fed. Cir. 2010)

代表的なクレーム:

6406534

United States Patent 6406534 (http://www.freepatentsonline.com/6406534.html)

背景の説明:
明細書では、以下の化学式で表される物質を“crystal X”としていた。
6406534-2

分析:
裁判所は、クレーム17中の“crystal X”は35 U.S.C. §112¶2に基いて不明確ではないと判断した。予審レベルでは、“crystal X”の化学式は結晶化合物のそれであり、結晶構造の特定部分において様々な要素が代用可能であること、そしてこの化学式から5000を超える組み合わせが考えられること、が認定された。これに対してFederal Circuitは、「ある化学式から5000を超える組み合わせが考えられるからと言って、その保護範囲を一般大衆が十分に理解できるのであれば、その化学式は必ずしも不明確となるわけではない」と述べた。またFederal Circuitは、「広くクレームすることは必ずしもクレームを不明確にするわけではなく、その保護範囲を理解し難くするわけではない」と述べた。更にFederal Circuitは、「“crystal X”の化学式は確かに複雑ではあるが、だからと言って不明確ではない」と述べ、一般大衆の一人が新たに化合物を作った際、その化合物がクレームで保護されている化合物群に該当するかどうかを確かめることが可能であることを説明した。

MPEP 2173.04 “BREADTH IS NOT INDEFINITENESS”参照


カテゴリ: 日英知財研究

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