日英知財研究

「は」?「が」?


『なんとなくしっくりこないなぁ・・・。』

「今日はどうしたの?」

『今回も外内のクレームを翻訳をしているんですけど、なんとなくしっくりこないんですよ。』

「どんなクレームなの?」

『”A method for forming an image using an image forming apparatus comprising steps of: receiving image data by a receiver of the image forming apparatus; processing the received image data by a processor of the image forming apparatus; and forming an image in accordance with the processed image data by a display of the image forming apparatus.”というクレームなんですが、”画像形成装置を用いて画像を形成する方法において、前記画像形成装置の受信部は画像データを受信し、前記画像形成装置のプロセッサは前記受信した画像データを処理し、前記画像形成装置の表示部は前記処理した画像データに基づいた画像を形成することを特徴とする方法。”と翻訳したんですけど、う~む。』

「なるほどね。内容的には間違っていないようだしね。」

『そうなんですよね~。どこが原因かよくわからないんですが、でもなんとなくしっくりこないんですよね。』

「そうだね、じゃあ、“は”を“が”に替えてみてはどうだろう。日本人はあまり意識せずに“は”と“が”とを使い分けているけど、実は、今まで知らない(特定できない)新規の情報には“は”を使わないで“が”を使うというルールがあるんだ。例えば桃太郎の話、しっているよね。あの話の冒頭覚えてる?“昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいました。”ってなっているよね。最初の一文“昔々あるところに、おじいさんとおばあさん住んでいました”では“おじいさん”と“おばあさん”が特定されていない新規な情報だから“おじいさんとおばあさん”となっているんだ。次に出てくる一文“おじいさん山へ芝刈りに、おばあさん川へ洗濯にいました”の“おじいさん”と“おばあさん”は、前の一文”昔々あるところに、おじいさんとおばあさん住んでいました”の“おじいさん”と“おばあさん”によって特定されて既存の情報になっているから“おじいさん”・“おばあさん”となっているんだ。もしこのルールを破って“昔々あるところに、おじいさんとおばあさん住んでいました。”って書いていたら気持ち悪く感じない?それ誰の話、って感じにならない?」

『あ~~本当ですね。そんな使い分け、気にしたこともなかったです。“は”と”が“とを替えるだけでこんなに違ってくるんですね。』

「そうなんだ。キミが翻訳したクレームの“受信部”・“プロセッサ”・“表示部”についても同様のことが言えるんじゃないかな。これらの要素も新規な情報だと思うから、このルールに従うと次のようになるね。“画像形成装置を用いて画像を形成する方法において、前記画像形成装置の受信部画像データを受信し、前記画像形成装置のプロセッサ前記受信した画像データを処理し、前記画像形成装置の表示部前記処理した画像データに基づいた画像を形成することを特徴とする方法。”どうだろう?」

「あっ、なんかしっくりきましたね!」


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