日英知財研究

4カテゴリーのいずれかに属する主題のみが発明として認められる


III.クレームの発明が101条を満たすか否かの判断

A.法の下における101条の範囲に対する考慮

米国特許法101条は、以下のように規定する:

 新しく有用なプロセス、機械、生産物、組成物またはそれらの改良物を発明または発見した者は、この101条の規定を満たす場合、その発明または発見に対して特許を受け得る。

<ポイント>

・    特許を受けるためには、発明が101条の規定を満たす内容でなければならない。

・    “産業上利用することができる発明をした者は、…その発明について特許を受けることができる”とする日本の特許法(29条1項柱書き)と同様の規定である。

 

101条は、議会が特許に対する適切な主題と認定した発明についての4カテゴリー、つまりプロセス、機械、生産物および組成物を定義する。後者の3カテゴリーは“物”または“製品”を定義するものであり、前者の1カテゴリーは“行為”(つまり、実行すべき一連のステップ又はアクションからなる発明)を定義するものである。100条(b)を参照(“プロセス”という表現は、処理または方法等を意味しており、公知の処理、機械、生産物、組成物、又は材料に対する新たな使用も含む表現である)。

 

発明の4カテゴリーに含まれないと裁判所が判断した主題とは、抽象的なアイデア、自然法則および物理的現象に限られる。Bilski v. Kappos, 561 U.S. ___, ___, 130 S. Ct. 3218, 3225, 95 USPQ2d 1001, ___ (2010) (citing Diamond v. Chakrabarty, 447 U.S. 303, 309, 206 USPQ 193, ___ (1980))。このように言及することは容易であるが、出願人が特許を求めている対象が抽象的なアイデア、自然法則または物理的現象に該当するか否か判断することは、困難な場合もある。これら3つの除外事項となっていることは、アイデア、自然法則または物理的現象といった実際的な用途とはならない主題が特許性を有さないことを示している。例えば、Rubber-Tip Pencil Co. v. Howard, 87 U.S. (20 Wall.) 498, 507 (1874) (“アイデア自体は特許性がない。しかし、それを用いており実質的に有用性を示す新たな装置には、特許性がある”); Mackay Radio & Telegraph Co. v. Radio Corp. of America, 306 U.S. 86, 94, 40 USPQ 199, 202 (1939) (“科学的に真実であっても、また、数学的に正しくとも、その科学的真実に関する知識を用いて創造した新規で有用な構造でなければ、特許性のある発明とは認められない”)。.

(注:同様の内容のため、以下省略)

<ポイント>

・    上記の4カテゴリーのいずれかに含まれなければ、発明として特許権を得ることができない。

・    アイデア自体は、上記の4カテゴリーに含まれず、発明として特許権を得ることができない。方法に関するプロセスクレームを作成したつもりであっても、装置等の現実的な物理的要素が全く記載されていない場合には、人間の頭の中で考えた単なるアイデアとみなされて101条違反が通知される場合があることに注意する。

・    日本では“自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの”(2条1項)が発明として認められ、プログラムも発明として認められている(2条3項1号)。しかしながら米国特許法では、プログラム自体は上記の4カテゴリーに含まれておらず、発明として認められていない。プログラムを記録した記録媒体等とした場合には、4カテゴリーの一つに含まれることになり、発明として認められる

 


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