日英知財研究

「Description」と「Specification」


 日本で特許を受けようとする場合に提出する書類の一つに、「明細書」が存在する(36条2項、3項)。IDSなどで翻訳文を提出する必要がある場合、この日本の「明細書」に対して何という英単語を用いれば良いのであろうか。  

 発明の詳細な説明が記載してあるこのような「明細書」と同様のものとして、USでは「Specification」が存在する(A Guide to Filing a Utility Patent ApplicationStatutory Provisions―Some Basic Principlesの§ 1:1 The Statute)。EPでは「Description」が存在する(EspacenetのDescriptioin)。

 日本の「明細書」には「Specification」・「Description」のどちらを用いればよいのであろうか。  

 調べてみると、USの「Specification」とEPの「Description」には以下のような違いが存在する。   

 USの特許出願には「Specification」という書類が必要であるが、この書類「Specification」に「クレーム」の内容も記載される(A Guide to Filing a Utility Patent ApplicationStatutory Provisions―Some Basic Principlesの§ 1:1 The Statute)。「クレーム」を記載した書類を書類「Specification」とは別にして提出する必要はない(MPEP 601)。

 一方EPの特許出願には「Description」という書類が必要であるが、書類「Description」とは別に「クレーム」を記載した書類が別途必要となっている(EspacenetのHow to apply for a European patent )。つまり、書類「Description」と「クレーム」を記載した書類とは別書類である。   

 では日本の特許出願はどうかというと、「明細書」という書類が必要であるが、書類「明細書」とは別に「クレーム」を記載した「特許請求の範囲」という書類が必要である(36条2項)。   

 上記の相違に基づいた場合、日本の「明細書」はEPの「Description」と同様に「クレーム」を記載した書類とは別書類という位置付けになっているため、日本の「明細書」に対しては「Description」という英単語を用いれば良い、と考えられる。   

 中国の場合も日本・EPと同様に、書類「明細書(説明書)」と「クレーム」を記載した書類「権利要求書」とが別書類という位置付けになっているため(China知的財産ポータル)、中国の「明細書(説明書)」に対しても「Description」という英単語を用いれば良い、と考えられる。


コメントは受け付けていません。

PAGE TOP