日英知財研究

不当な断片化


『今回の発明は、液晶テレビとブルーレイディスクとが一体になった“テレーブル”という発明なんですが米国出願でオフィスアクションが出されたんです。』

「なんか昔によく似た“テレビデ・・・”というのがあったような気がするけど、まぁいいか。それでどんな指摘がされたの?」

『液晶テレビは公知でブルーレイディスクも公知だから、公知なものをくっつけた“テレーブル”は自明だ、って審査官は言っているんです。でも、これまで液晶テレビとブルーレイディスクとを一体に形成した装置は無いですし、一体に形成することでかなり便利なんですよ!スペースも要りませんし。それにクライアントもなんとか反論したいって言ってるんです。どうしたらいいんでしょう。』

「そうだね・・・。“テレーブル”のうち、液晶テレビが公知という結論には反論しにくいね。また、“テレーブル”のうち、ブルーレイディスクが公知という結論にも反論しにくいね。実際に両方共よく知られているものね。」

『そうなんです。でも両方を一体形成したのは初めてなんですよ。』

「そうか、じゃあMPEP2106.01のIII.を引き合いに出してはどうだろう。」

~MPEP 2106.01 III.~

Claim analysis begins by identifying and evaluating each claim limitation and then considering the claim as a whole. It is improper to dissect a claimed invention into discrete elements and then evaluate the elements in isolation because it is the combination of claim limitations functioning together that establish the boundaries of the invention and limit its scope.

クレームの分析は、各クレームの限定事項を特定して評価し、その後にクレーム全体を考慮する事により開始される。クレームされた発明を別々の要素に分割して各要素を評価する事は適当でない。なぜなら、一緒になって機能するクレーム限定事項の組み合わせによって、発明の境界線が初めて明らかになり、保護範囲を限定することになるからである。

「審査官は、発明“テレーブル”を別々の要素、液晶テレビとブルーレイディスクとに断片化して、各要素を評価しているよね。その評価に基づいて自明だと判断しているから、MPEP2106.01のIII.に違反している・一つの発明を不当に断片化している、って反論したらどうだろう。」

『な~るほど、本当ですね!これで権利化OKですね!』

「ん~ん、反論だけでは厳しんではないかなぁ。ボクシングのジャブって感じだから、もう一つ何か後押しする軽いストレートが欲しいね。例えば、液晶テレビとブルーレイディスクとを一体形成するための筐体の構造とか、そういう工夫部分を補正で追加したらどうだろう。2つの合わせ技でかなり審査官のディフェンス力が下がると思うよ。」

『な~るほど、そうしてみます!』


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