日英知財研究

引例の図面


『あ~あ、残念。』

「どうしたの?」

『実は、米国出願で引例が挙げられ、新規性欠如と言われたんです。クレームの内容と同じような図面がその引例に記載してあったんですよ。あ~あ、残念。』

「で、どんなクレームだったの?引例も見せてよ。」

『クレームは、“A部とB部とを備えるC装置であって、前記A部の長さが前記B部の長さよりも長い”という発明に関するものなんです。一般的なC装置の場合、A部の長さがB部の長さよりも短いんですが、A部の長さをB部の長さよりも長くすることで作業時間が短縮できるようになったので今回出願したんです。でも、挙げられた引例の図面にA部の長さがB部の長さよりも長い様な感じのC装置が記載してあったんです。あ~あ、残念。』

「そうだったのか。ところでその引例の明細書には、A部の長さがB部の長さよりも長いとか記載してあった?図面に寸法が記載してあった?」

『いいえ、明細書中にはA部とB部との長さの関係について一切記載してなかったです。図面にも寸法なんて記載してなかったです。でも、そんな感じの図面を出されたので仕方ないですよね。』

「仕方なくは無いかもしれないよ。MPEP 2125というのがあるんだ。この審査基準には、寸法の記載がない図面はクレームの寸法に関する根拠として価値を持たない、って記載してあるんだ。つまり、今回挙げられた図面にA部の寸法・B部の寸法が記載していない場合には、いくら図面がクレームの特徴に似ているからと言って、その図面を根拠として引用することが出来ないんだよ。そういうことだから、MPEP 2125を指摘して失当であると反論してはどうだろう。」

『へ~、そんな審査基準もあるんですね。その反論いただきます!』


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