日英知財研究

化合物の選択


『聞いてくださいよ!』

「今日は朝からどうしたの?」

『すごくいい発明なのに、アメリカで自明だという拒絶理由が出されたんです。従来の溶媒に酢酸を一滴たらすだけで、普通の細胞が万能細胞に変化する発明だったんですよ!従来の溶媒に酢酸を一滴たらすだけですよ!万能細胞に変化するんですよ!それなのに審査官は、酢酸なんてありふれた化合物だから、酢酸を選択することは当業者にとって自明・容易だなんて言うんです!』

「そうか、それでその案件どうするの?」

『発明者はいろんな化合物を試してやっと酢酸にたどり着いたんですよ!それを自明とか容易とか簡単に言う審査官に対してすっごく腹が立つんです。だけど、そんな風に言われたら何て言ったらいいのかわからなくて、反論できない自分にも腹が立つんです!』

「そうだね。その化合物がいくら一般的な化合物であっても、その化合物を選択するためにはたくさんの努力があっただろうしね。でもいくら腹が立っても、反論できなければ負けのディベートだからね、キミの言うことはよく分かるよ。じゃあ、 Ortho-McNeil Pharmaceutical, Inc. v. Mylan Labs, Inc., 520 F.3d 1358 (Fed. Cir. 2008)を指摘して自明・容易ではないと反論してはどうだろう。この判例は薬・化合物の選択に関する判例でね、偶然試験に用いてそのような化合物を見つけられるかも知らないが広範な化合物から試験に用いる限られた化合物を選択することは自明・容易でない、という結論が導き出されているよ!」

『私が言いたかったことはそれですよ!よ~し、その判例を使って反論するぞ!!』


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