preambleにおける「~において」と「~であって」の違い

preambleにおける「~において」と「~であって」には、以下のような違いがあると考えられる。

以下の様な内容の英語クレーム1があったと想定する。

1.  An image forming apparatus with a touch panel, comprising: ….

このような英語クレームに対応する日本のクレームとして、「タッチパネルを有する画像形成装置において、…」と「タッチパネルを有する画像形成装置であって、…」という2パターンが見られる。しかしながら、この両者に違いは有るのか無いのか。

「おいて」は、場所・時間・事柄などの条件を表わす表現である。そのため「タッチパネルを有する画像形成装置において」のクレームでは、「タッチパネルを有する画像形成装置」であることが前提条件であってその前提条件のもとに以下の特徴が存在する、ということを表現している。特許的に言い換えると、『従来技術にも見られる「タッチパネルを有する画像形成装置」を前提としており、「タッチパネルを有する」という特徴は従来技術であって目新しい特徴ではなが、そのような装置の中で「において」以下に特徴がありますよ』ということを表現している。

一方「あって」は、「ある」が変化したものであり、条件か否かに関係なく、単に存在するということを表す表現である。そのため「タッチパネルを有する画像形成装置であって、…」のクレームでは、前提条件か否かとは関係なく「画像形成装置」であって「タッチパネルを有する」という特徴も存在するし「であって」以下の特徴も存在する、ということを表現している。特許的に言い換えると、『従来技術かどうか知らないが、クレームの「画像形成装置」には「タッチパネルを有する」という特徴が存在しており、その装置が更に「であって」以下の特徴も備えていますよ』ということを表現している。

そう考えると、「において」のクレームは、「characterized by」を用いて2部形式とするヨーロッパスタイルに対応するクレームとなっており、「であって」のクレームは、2部形式を採用せずに「comprising: …」を用いるアメリカスタイルに対応するクレームとなっている、という違いが存在する。

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