submarine patent

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サブマリン特許。出願から長期間にわたり登録・公開されることなく秘密状態が続き(そのあいだに同様の発明内容が同業者により開発・使用されるようになり)、ある日突然特許となって権利行使される特許。かつて、米国において出願公開制度がなく、特許期間が登録日(出願日や優先日ではなく)から計算されていた時代に見られた(1999年11月29日の改正法により出願公開制度が導入された。35 U.S.C. 122(b))。海中にひそむ潜水艦が突然海上に現れる様子に似ていることからサブマリン特許と呼ばれる。

国際的な知的財産問題を題材にした小説『鷲の驕り: 国際知略サスペンス』(1996年)には、サブマリン特許について分かりやすく解説した次のようなやりとりがある。

「彼の特許のひとつに、コンピュータ制御の位置決めによる自動組み立てシステムがあります。ベルトコンベヤで品物を組み立てるときに、物体の位置をビデオで記録してデジタル化し、そこにバーコードで仕分けした部品を取り付けるという仕組みです。コンピュータ化された現在の工業ロボットには避けられないシステムで、製造業という製造業のほとんどは、この方法でモノを組み立てています。彼はこのシステムを、一九五四年に出願しています。いまから約四十年も前に」

「先見の明があったわけだ」

「それは認めるとして、問題は、その特許に米国特許商標庁から許可が下りたのが、一九八七年だったことなんです。出願から、三十四年目にはじめて、やっと特許が認められたわけですが—-実は、この、長い長い潜伏期間がクセモノなんです」

「というと?」

「その数十年のあいだに、技術が進歩し、どの企業も、ごく当たり前に工業ロボットを使うようになりました。コンピュータ制御も当たり前なら、自動組み立ても当たり前の世界になっていますから、まさか何十年も前にこの仕組み自体が特許出願されているなどとは思いもせずに、すでに大多数の企業が、長年この仕組みを使ってきていたのです。そこに、突然、彼の特許が浮かび上がってきたわけで・・・・・・」

「晴天の霹靂か」

「その通りです。数十年も経った後に、突然浮上する・・・・・・だから『サブマリン特許』は恐ろしいんです。知らずにその技術を古くから利用してきた企業にしてみれば、何をいまさら・・・・・・ということになります」

「そんなに長い期間、審査を引き伸ばしていたというのは都合のいい話だな。しかも、出願内容を非公開とすれば、外部からは知りようがない」

・・・

「こんな制度は、アメリカだけなんです。もし、アメリカがほかの国同様、出願公開制度を導入していれば、こんなことは起きません。また、日本を含む多くの国は特許期間を出願後二十年とするシーリングを設けて、このような矛盾を防止しており、アメリカもようやく今年から、同様のシステムを採り入れました。しかし、出願公開制度がない限り、問題は解決しません。それに、過去の『潜水艦』はなくなるわけではないのです」

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