英語難易度:
The Godfatherは、言うまでもなく、映画『ゴッドファーザー』の原作本です。
映画3部作(パートI~III)のうち、本書はパートIとほぼ同じ内容になっており、映画が原作に忠実に作られていたことが分かります。
いわゆる馬の首事件や5大ファミリーの会合など、これまでに何度も観てきた有名シーンを改めて活字で読むのは感慨深いものがあります。そして、マイケル・コルレオーネが敵対するマフィアのボスと警察官を狙撃するシーンは映画と同様に本当にハラハラします。
原作を読んで意外な発見だったのは、この本はドン(ヴィト)・コルレオーネから学ぶリーダーシップ本でもあるということです。組織をうまくまとめるためにどのように人を使い、人の働きに対してどのように報えばいいかなど、意外にもマネジメントの参考になることが多く書かれています。
また、洋書で読むことのメリットでもありますが、英文ライティングや翻訳に応用できそうな英語表現をいくつか見つけました。
例えば、映画パートIの終盤シーンで、マイケル・コルレオーネの部下(ネリ)が警察官に扮装してバルジーニという敵対するマフィアのボスを銃で撃つシーンがあります。ここで、警察官扮するネリが警察手帳をお尻のポケットにしまい、その手で腰に付けた銃(.38スペシャル)を取るという微妙な動きが次のように描かれています。
Then he put his summons book in his hip pocket and with the forward motion of his hand drew the .38 Special.
"with the forward motion of"はメカニカルな動きを説明するときに使えそうです。
ゴッドファーザーファンとして、本書は非常に楽しめました。慣れ親しんだ映画の原作本を洋書で読むというのはページがよく進むことを実感できる本でした。