特許翻訳者のための『米国特許クレーム作成マニュアル』

・米国特許出願用のクレーム作成(英訳)方法を徹底的に解説

・日本語で書かれた特許明細書の「特許請求の範囲」を米国特許クレームに仕上げていく過程をステップ・バイ・ステップで解説

・「特許請求の範囲」だけではなく、明細書本文の英訳例も掲載

・分かりやすさにこだわった解説

・$Faber \ on \ Mechanics \ of \ Patent \ Claim \ Drafting$
    などの重要文献を豊富に引用

・クライアントへのコメント例も豊富に掲載

     

<本書の内容>
本書は,米国特許クレーム(米国特許出願用の英文クレーム)の作成方法について解説している本です。

日本語で実際に書かれた「特許請求の範囲」に記載されている5つの請求項(モノに関する独立項1つとその従属項2つ,方法に関する独立項1つとその従属項1つ)を題材にして,これら1つ1つの請求項を英訳して米国特許クレームに仕上げていく過程をステップ・バイ・ステップ形式で解説しています。

<対象とする読者>
本書は,特許請求の範囲を含む特許明細書の英訳を業務として行っている方,具体的には特許翻訳者のほか,企業の知財担当者,特許事務所で外国出願を担当している方,大学等の研究者で,米国式特許クレームを作成する必要がある方などを主な対象にしています。また,専門用語にはできるだけ説明や定義を付すなどして,特許翻訳の初学者の方にとっても分かりやすい内容にするよう努めました。

米国特許クレームの作成実務は条文や判例解釈の蓄積を土台としており,類書にはこれらを論じた高度に専門的な(ときに難解な)内容のものが多く見られますが,本書はできる限り実務に徹し,読者がすぐに応用できるような知識やテクニックを多く記載しています。

また,本書はいわゆる米国出願用の翻訳について解説していますが,筆者の経験から,本書における英文クレーム作成についての解説の多くは,原文に忠実な翻訳が求められるといわれているいわゆるPCT出願用の翻訳にも応用できるため,本書は専らPCT出願用の翻訳を行っている翻訳者にも役立つ内容になっていると自負しています。

<本書の目的>
本書は,翻訳者が「特許請求の範囲」を米国出願用に英訳するにあたり,どのような点に注意しながら英訳すべきかを提案することを目的としています。

翻訳者が米国出願用の英訳を依頼される際,多くの場合,依頼主から翻訳方針についての指示や要望があります。翻訳方針は依頼主によって異なり,例えば,原文の誤記を訂正する以外はできるだけ原文に忠実に英訳し,意訳はしないで欲しいという要望もあれば,米国特許を有効活用できるように米国特許実務に沿った英訳をして欲しいという要望もあります。前者の要望は,1つの言語で書かれた文章を他の言語に移し替えるという翻訳者の本来の役割を求めたものといえるため,翻訳者にとって比較的対応しやすい要望です。これに対して,後者の要望に対応するためには,米国特許実務などに関する知識や経験が必要な上,実務家のあいだで意見の分かれる事項もあるなど,対応が比較的難しく,多くの翻訳者から,どのように(あるいはどこまで)対応すべきかわからないといった声を聞いてきました。

本書は,このような声に応え,米国特許実務に沿ったクレーム英訳のアプローチ方法を提案するものです。

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