“a”“the”の使い方

米国式特許クレームにおいて、基本的に“a”は初出の単数名詞に使用し、“the”は既出の名詞に使用する。Faber on Mechanics of Patent Claim Draftingは次のように解説している。

  • 新たに導入する構成要素は、不定冠詞“a”または“an”を使用する。
  • 新たな構成要素に不定冠詞を使用しない場合もある。それは、構成要素が複数である場合と、ミーンズ・プラス・ファンクションの場合である。例:“containers”、“container means”
  • すでに導入された構成要素について再び言及するときは、定冠詞“the”または“said*”を使用する。(当社注:当社では“the”のみを使用している。)
  • すでに導入された構成要素について再び“a”や“an”、または複数形やミーンズ・プラス・ファンクションを無冠詞で導入すると、また別の新しい構成要素が導入されることを示し、不明確なクレームとなる。
  • 下記の表現は、明細書本文では適切だが、クレームにおいては適切ではない。
    “a container which is connected pivotally to a plurality of parallel legs,”
    “legs”はcontainerとは別の構成要素であるため、クレームでもっとはっきりと定義されるべきである。
  • 他の例を下記に示す。
    ・間違った例: A lever having a forked end pivoted on a pin mounted between the furcations of the forked end.
    注)“pin”はleverの一部ではなく、別の機械的要素である。
    ・良い例:
    (a) a lever having a forked end; and
    (b) a pivot pin mounted between the furcations of the forked end
    ・もっと良い例:
    (a) a lever having a forked end;
    (b) the forked end comprising spaced apart furcations; and
    (c) a pivot pin mounted between furcations* (当社注:“the” furcationsと思われる。)

Robert C. Faber, “Faber on Mechanics of Patent Claim Drafting,” 7th ed., chap. 3 in “§3:3 Elements of Apparatus Claims.” New York: Practising Law Institute, 2017.

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