高品質ポリシー・7つのC

私どもBEIKOKUは、「分かりやすい知財翻訳とは何か?」について7つの観点から独自に定義し、これを「高品質ポリシー」としてすべての案件に対して徹底しております。

これら7つの「C」の実現により、読み手が翻訳だけを読んで発明を正しく明確にイメージできることを目指しています。

また、知財翻訳のなかでも特に忠実な翻訳が求められるPCT出願の場合でも、意味不明な翻訳を極力排除し、原文の意図が明確に表現された翻訳にするよう努めております。

■原文の意図を翻訳する~Closest to the meaning intended by the original~

私どもBEIKOKUは、「逐語訳」や「直訳」、「ミラー翻訳」ではない、「血の通った翻訳」をご提供できるよう努めております。

日本語で適切に書かれた特許明細書であっても、これを英語に直訳すると、日本語と英語との違いにより、読み手にとって分かりにくい英文になり、一番の読み手である審査官に発明の真意がうまく伝わらないといった事態が起こり得ます。

このような事態を極力避けるために、私どもは原文で本当に意図された意味を適切な英語で表現するよう努めており、これが強い特許につながると考えています。

具体的には、良い文章のための3大ルールであるcorrect, clear, conciseを実践することにより、高品質な知財翻訳を目指しております。

■正確に~Correct~

技術的に正確な翻訳をするためには、当然、技術の理解力が必要です。BEIKOKUでは、技術理解力の不足から生じる誤訳を極限まで少なくすることを目標として、常日頃から技術理解力を高める努力を続けています。私どもBEIKOKUは、技術的な正確性のために細心の注意を払っています。

具体的には、次の2つの側面からcorrectnessを実践しています。

■■技術的な正確性

BEIKOKUでは、「正確な翻訳」をすることを大事にしています。「正確な翻訳」を「技術的に正確な翻訳」ととらえ、たとえ原文の表現があいまいであっても、技術を正確に理解して原文の意図をしっかりとつかみ取り、それを「血の通った」文章にするよう努めています。

■■日本語読解力

技術的に正確な翻訳のためには、常に技術理解力を磨いていくことが必要だと私どもは考えていますが、これに加えて、「日本語読解力」も必要だと考えています。

「日本語読解力」は、「注意力」や「想像力」などとも言えるかも知れません。いくら技術理解力があっても、日本語読解力がないと、うっかり誤訳をしてしまうことがあるからです。「注意力」や「想像力」を意識しつつ、私どもは日々翻訳にあたっています。

■明確に~Clear~, 簡潔に~Concise~

■■原則として時系列で書く(「古い情報→新しい情報」とする。文章が定冠詞“The”で始まるようにする)私どもBEIKOKUは、正確性(correctness)に加えて、良い英文のための基本である「明確である(clearness)」ことと「簡潔である(conciseness)」ことを次のように細分化して実践しています。

BEIKOKUでは、原則として、「古い情報→新しい情報」の順番になるように英文を構成しています。

「古い情報」とは、明細書中で既に記載(説明)した情報で、作成者と読者の間で共通の認識となっているものです。これは定冠詞“the”で始められることが多いものです。

「新しい情報」とはその逆で、明細書の現段階でまだ記載(説明)されておらず、これから説明しようとしている事柄です。

定冠詞“the”を使った「古い情報」で文章を始めて、それから「新しい情報」に入っていった方が文章として自然で、読者(審査官)が理解しやすいことは明らかなため、当社ではこの方針を常に念頭に置きつつ英文明細書作りをしています。

日本語明細書の原文をそのまま何気なく英訳すると、次の例のように「新しい情報→古い情報」という英文構成になってしまうことがよくあります。

原文例1:
ここで、上記第1リンク26にはボス22を初期位置に移動するためのバネ34が取り付けられている。

ありがちな「新しい情報→古い情報」の訳例::
Here, a spring 34 that moves the boss 22 to an initial position is attached to the first link 26.

“a spring 34”という新しい情報が、“the first link 26”という古い情報の前にきてしまっています。これで悪いというわけではないですが、次のように「古い情報→新しい情報」にした方が理解しやすく、読者 である審査官が受ける印象もいいと思います。

BEIKOKU訳例:
The first link 26 has a spring 34 to move the boss 22 to its initial position.

この当社の訳例では、“The first link 26”という古い、既知の情報が先にきています。

同じように、次のような請求項(クレーム)も「古→新」の考え方で訳します。

原文例2:
前記Aの温度が100~150℃であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。(注:「温度」は初出)

「新→古」の訳例:
The device according to claim 1, wherein a (the) temperature of the A is 100 to 150℃.

これも「新→古」の訳例と言えますが、「新」の部分が「温度」という、ある要素に潜在的に備わっているもの(inherent characteristic)になっています。このような場合は、初出であっても定冠詞”the”を使って”the temperature”のようにしてもよいとされています(MPEP2173.05(e))。

しかし、初出で”the temperature”とすると、審査官によってはこの”the”がLack of Antecedent Basisとされる場合があり、オブジェクションの対象となる可能性があるため、当社では次のように「古→新」の原則にしたがって訳しています。

BEIKOKU訳例:
The device according to claim 1, wherein the A has a temperature of 100℃ to 150℃.

■■代名詞をできるだけ使用しない。使用する時は、それが何を示すのかが100%明確に分かる場合だけにする

 

BEIKOKUでは、明確な表現をとことん追求しています。そのために、次のように請求項(クレーム)では代名詞を絶対に使用せず、明細書本文においても代名詞を極力使用しない、というルールを作っています。

原文例1(クレーム):
前記クローラ本体内に埋入されたクローラ幅方向に一対の翼部

少し分かりづらいかも知れませんが、クローラ(ショベルカーなどの走行装置のベルト部分)の本体内に、一対の翼部が、クローラの幅方向に延びるように設けられている、という構造です。

代名詞を使って訳した例:
a pair of blade portions buried in the crawler main body such that it is extended in the width direction of the crawler.

この訳では、”it is extended”の“it”が“a pair of blade portions”と“the crawler main body”のうちどちらを指すのかが不明確になっています。

当社では、代名詞を使わずに、例えば次のように書きます。

BEIKOKU訳例:
a pair of blades, in the crawler main body, oriented along a width of the crawler

原文例2:
走行枠11の前後の駆動輪12と従動輪13とに跨がって弾性クローラ14が巻き掛けられている。

これは明細書本文の実施形態の記載で、ここでは、「走行枠11」のみが既出で、その他の要素12、13、14は初出とします。

代名詞を使って訳した例:
An elastic crawler 14 is wound around a driving wheel 12 and a driven wheel 13 located on front and rear ends of the traveling frame 11 such that it is stretched therebetween.

この訳も、“it”と“therebetween”が何を指すのかが不明確になっています。

当社では代名詞を排除して、次のようにします。

BEIKOKU訳例:
The traveling frame 11 includes a driving wheel 12 and a driven wheel 13. The driving wheel 12 is provided at the front end of the traveling frame 11.  The driven wheel 13 is disposed at the rear end of the traveling frame 11. An elastic crawler 14 is looped across the driving wheel 12 and the driven wheel 13.

このBEIKOKU訳例のように、明確な表現を追求すると、原文が一文であっても、その訳文は複数文になる場合がよくあります。こうなると当然、訳文の量が増えるという現象が起きます。

しかし、訳文が複数文になったとしても、訳文の一文一文が簡潔・明快に記載してあれば、全体として非常に読みやすい英文明細書となると思います。

■■文の構造をシンプルにする

日本語の特許明細書は、一文が大変長くなる場合があります。これをそのまま英訳すると、とてつもなく長い英文になって、読んでいる途中で意味が分からなくなり、日本語原文と照らし合わせながらでないと理解できないことがよくあります。

BEIKOKUでは、このように「文章の長さ」まで忠実に英訳するのではなく、日本語の意味を正確に噛み砕いて、短くシンプルな構造の英文にし ています。こうすることで、明確で読みやすい英文となり、読者(チェック担当者)が日本語と照らし合わさなくても、英文だけで明確なイメージがつかめるよ うになることを目指しています。

さらに言うと、同じ発明でも、日本語明細書よりも英文明細書で読んだ方が理解しやすくなることを目指しています

実際、英語圏の特許庁の審査官は英文の明細書しか読まない(読めない)ため、審査官が読んではっきりと意味がつかめる英文明細書を作ることが、翻訳会社として当然の仕事ではないかと私どもは考えています。

具体的には、次の例のようにシンプルな構造の英文を心がけています。

原文例:
プラグインハイブリッド車1には、ハイブリッドビークルECU2、エンジンECU4、ブレーキECU9、防盗ECU6等の複数のECUが搭載されている。

これは複雑な文章ではありませんが、「一般的な翻訳」をすると、次のようになります。

一般的な訳例:
In the plug-in hybrid vehicle 1, a plurality of ECUs, such as a hybrid vehicle ECU 2, an engine ECU 4, a brake ECU 9, a theft prevention ECU 6, and the like, are mounted.

文章の最後の最後にやっと動詞“are”がきて非常に分かりにくい訳文となっています。また、「防盗ECU6等」の「等」につられて、 “such as”の最後に“and the like”や“or the like”をつけることは正しい用法ではないとされています。

当社は例えば次のように訳します。

BEIKOKU訳例:
The plug-in hybrid vehicle 1 includes a plurality of ECUs such as a hybrid vehicle ECU 2, an engine ECU 4, a brake ECU 9, and a theft prevention ECU 6.

翻訳会社は、新規性(米国の場合35 U.S.C. §102)や進歩性(米国の場合§103)に関してどうこうすることは難しいと思います。しかし、明確性(definiteness)に関する§112(b)に基づく拒絶理由は、翻訳会社の努力次第で回避することができると考えています。

BEIKOKUでは、この§112(b)に基づく拒絶理由を出さないことを一つの理念として英文クレームを作成しています。

■■(特にクレームにおいて)冗長な表現をできるだけ避ける

BEIKOKUでは、スッキリとして読みやすい翻訳を心がけています。このような翻訳をもとにした英文明細書は審査官への印象もよく、迅速な特許付与につながると思われます。この考えのもと、冗長な表現や回りくどい表現はできるだけ避けるようにしています。

原文例:
紡糸パック本体は、その内部を洗浄する等のメンテナンスを行うため、加熱箱体に取り付けられる連結部材から取り外しできる構成となっている。

一般的な訳例:
The spinning pack body is configured to be able to remove the spinning pack body from the link member attached to the heating barrel so that the maintenance of washing the inside of the spinning pack body and the like is performed.

この訳は、原文と照らし合わせてみると特に誤訳もないため、一般的な翻訳会社でのチェックでは問題ないとされて「素通り」し、クライアントに納品されるかもしれません。

しかし、英文だけをよく読んでみると、“spinning pack body”が無駄に2回登場したり、何から続いているのか分かりづらい”and the like”が添えてあったりして、大切な読者である審査官に非常にストレスを感じさせるのではないでしょうか。

当社なら、例えば次のように訳します。

BEIKOKU訳例:
The spinning pack body is removable from the connector attached to the heating barrel in view of maintenance such as washing the interior of the spinning pack body.

このように当社では、英文明細書作成の際に「無駄」は徹底的に省いてスリム化し、原文作成者のが言いたいことを的確に「ズバッ」と表現できるように努めています。

■■関係代名詞は先行詞の直後に置く。何が先行詞かが100%明確に分かるようにする

■矛盾なく~Consistent~

具体的には、まず日本語明細書をよく読んで発明の本質を理解します。発明の本質を一生懸命理解するという労力をかければ、多くの場合、一見 「一貫性を欠いているように見える記述」が、省略的な書き方が原因で起きていることが分かります。このような場合、時には原文を修正・補足を加えながら、一貫性のある翻訳にしていきます。
BEIKOKUでは、このような不利益が最小限になるように努めています。日本語明細書を翻訳していると、明細書内で一貫性を欠いているように見える記述に出会うことがあります。このような記述をそのまま英訳すると、出来上がった英文明細書も一貫性のないものになってしまい、クライアントにとって不利益となる可能性があります。

例えば、次のような発明があるとします。

発明の概要:
2つの電界効果型トランジスタ(FET)を使用した、1つのガスセンサがある。これら2つのFETはゲート電極の材料だけが異なり、あとは全く同じ構造。

このガスセンサの日本語明細書において、次のような記述があるとします。

本発明では、同じ素子構造を持つ電界効果型トランジスタが2つ設けられている。

一般的な翻訳例:
In the present invention, two field-effect transistors having the same device structures are provided.

これは誤訳でもなく、特に読みにくい英文というわけでもないため、翻訳会社のチェックでもクライアントのチェックでも問題とされることはあまりないと思います。

しかし、発明の概要にもあるように、2つのFETはゲート電極の材料が異なるため、「同じ素子構造を持つ」は、厳密には「ほぼ同じ素子構造」であることが意図されているのではないでしょうか。

当社では、発明と明細書の実際の記述とで一貫性を持たせるため、例えば「ほぼ」を表す“approximately”を補足して以下のように訳します。

BEIKOKU訳例:
This embodiment is directed to two field-effect transistors of approximately the same device structures.

このような補足をした場合、当社では納品時に必ずコメントを残して、クライアントに検討してもらうようにしています。

■法を遵守~Compliant~

例えば米国出願の場合、私ども特許翻訳者にとって最も身近な法的要件は、明細書の書式を規定する37 C.F.R. §1.52と、クレームの明確性を規定した35 U.S.C. 112(b)です。私どもBEIKOKUは、特許明細書を英訳するにあたり、各国の法的要件に沿った好ましい英訳ができるよう日々研究しています。

米国用英文明細書の書式については、主要な項目を以下のページでまとめています。

form of specification(米国用英文明細書の書式)
http://beikokupat.com/uspatent_glossary/form-of-specification/

35 U.S.C. 112(b)について、クレームが明確に英訳されていることは、新規性、非自明性などのクレームの特許性を判断するための大前提である(クレームが明確でないと特許性を判断できない)ことから、私ども特許翻訳者にとってクレームを明確に英訳することは非常に重要であると考えています。

クレームを明確に英訳するために、私どもは高品質ポリシーの要素である「正確に」「明確に」「簡潔に」などを徹底しています。

■コミュニケーションを大切にする~Communicative~

私どもBEIKOKUは、原文で不明な点について質問させていただいたり、納品時に翻訳内容に関する詳細な報告を行うなど、お客様とのコミュニケーションを大切にしています。

これにより発明の意図やお客様のニーズが明確になる上、お客様に当社の翻訳意図もきちんと伝わることになり、結果としてよい明細書につながると考えています。

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