関係代名詞の制限用法(“that”)と非制限用法(“, which”)を使い分ける

関係代名詞の制限用法(“that”)と非制限用法(“, which”)を使い分ける

関係代名詞の制限用法(“that”)と非制限用法(“, which”)について見ていきます。

制限用法と非制限用法が使い分けられていない英訳文が非常に多く見られます。英文明細書において制限用法と非制限用法がきちんと使い分けられていないことによる弊害が、次のように指摘されています。

In many English translations, the reader cannot tell if information is crucial or supplemental because the translator does not distinguish between “that” and “which” and often has not used commas to surround supplemental information.*
【参考日本語訳】
翻訳者が「that」と「which」を区別しておらず,補足的な情報を囲むコンマも使っていない英語翻訳文では,その情報が重要なのか補足なのかをその読み手が判断することができません。

*ジェームズ・バーロー. “特許出願における英語翻訳文をより良いものにするために”. 米国特許翻訳社ホームページ. 2019.
http://beikokupat.com/barlow/

この指摘の前提として、制限用法と非制限用法の違いについて端的に表すと、次のようになります(以下では、制限用法“that”を「限定節」、非制限用法“, which”を「非限定節」と呼んでいます)。

多くの類似した物の中で特定の物を指定するときには限定節(“that”)を使い、ある物について付加的な、本質的ではない情報を加えようとするときには非限定節(“, which”)を使う。*

*W.C. ローランド, 奥山尚一, N. マッカードル, J.T. ムラオカ, 時國滋夫. 特許の英語表現・文例集. 講談社サイエンティフィク, 2004, p.92.

制限用法と非制限用法の違いは、コンマがあるかないかの違いにより説明できますが、これについては『特許翻訳者のための米国特許クレーム作成マニュアル』で詳しく解説しています(166~170ページ(『コンマの有無で意味が変わる』))。

制限用法と非制限用法の上記基本的な違いを踏まえて、以下、これらについて技術英文や特許英文の例を参照しながら解説していきます。

制限用法のときは“that”、非制限用法のときは“, which”

アメリカ英語では、“that”を制限用法として使用し、“, which”を非制限用法として使用することが推奨されています*。米国出願用の英文明細書においては、これに従って、次の例のように“that”と“, which”を使い分けることが推奨されます。

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-英文明細書マニュアル

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