英語の特許文書において、"recite"という単語が使われることがしばしばあります。通常、"recite"は「暗証する」("repeat aloud from memory")(https://www.vocabulary.com/dictionary/recite)という意味で覚えられていますが、特許文書では"recite"は暗証とは関係がない文脈で使われます。そのため、この"recite"はどういう意味か?という質問を受けたことがあります。
特許文書などの法律文書では、"recite"は「記載する」「述べる」といった意味で使われることが多く、次の特許関連の例文でもこの意味で使われています。
The claim recites that the step of calculating a scaling factor is performed by "the computer" (referencing the computer recited in the preamble). (Emphasis added.) To the contrary, 3M presents a competing interpretation that the applicant eliminated the word "substantially" to more clearly recite that "continuous contact" was different from Hazelton because Hazelton disclosed only intermittent contact. (Emphasis added.) |
"recite"が「記載する」等を意味すると説明している辞書はあまり見かけませんが、Black's Law Dictionary(Tenth Deluxe Edition)では、名詞"recital"が「事実や物事を書いたもの(または述べたもの)」といった意味であると説明されています(p.1462)。
An account or description of some fact or thing <the recital of the events leading up to the accident>.
上記の例文のように、"recite"はクレームの内容を説明する際によく使われ、この点では類似の"describe"や"state"よりもよく使われているように思われます。