引用英文の一部を省略するための記号の使い方~ドットマーク3つと4つの違い~

英文を引用するとき、重要ではない部分を省略記号「. . .」(ドットマーク、ellipsis points)を使って省略することがあります。

The Chicago Manual of Styleが推奨する省略記号の使用ルールでは、省略記号のドットマークが3つ並んでいる場合(「. . .」)と、4つ並んでいるように見える場合(「. . . .」)があります。以下、両者の違いについて見ていきます。

まず、原則としては、省略記号はドットマーク3つとし、次の例のように、ドットマーク同士の間および隣り合う文字との間にスペースを入れます。

元の英文: The glottal stop, which is common in this family of languages, is marked by an apostrophe.*
省略形: The glottal stop . . . is marked by an apostrophe.*
(この例で示されるように、関係代名詞節に係るコンマも省略します。)

この例は、「1文」の途中部分を省略する例になっています。

ドットマークが4つ並んでいるように見える場合とは、次のように、複数の文章の間で省略を行う際に生じ得る現象です。

引用英文の最後部分を省略する場合で、省略部分を除いたあとの英文が文法的に完全な英文になっている場合は、この英文の最後にピリオドを付けます(そして、その後に続く他の文章を省略記号「. . .」で導入します)。

元の英文: The spirit of our American radicalism is destructive and aimless: it is not loving, it has no ulterior and divine ends; but is destructive only out of hatred and selfishness. On the other side, the conservative party, composed of the most moderate, able, and cultivated part of the population, is timid, and merely defensive of property.*
省略形: The spirit of our American radicalism is destructive and aimless. . . . the conservative party . . . is timid, and merely defensive of property.*

この例の場合、文章の最後に打つピリオド「.」の後に省略記号「. . .」が並んでいるため、結果としてドットマークが4つ並んでいるように見えることになります(「. . . .」)。

このように、省略記号はドットマーク3つを原則とし、複数文章間で省略を行う際に「ピリオド1つ+ドットマーク3つ」(実質的にドットマーク4つ)になることがあります。

*The University of Chicago Press. The Chicago Manual of Style, 14th ed., 1993, p.373.

 

-英文明細書マニュアル

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