セミコロンを使って複雑な文章を理解しやすくする

セミコロンを使って複雑な文章を理解しやすくする

複数の項目を列挙する場合、列挙する項目自体に句読点などが設けられていることなどが原因で各項目が複雑な構造になっている場合は、各項目をコンマではなくセミコロン「;」で区切ることが推奨されています*

  The membership of the international commission was as follows: France, 4; Germany, 5; Great Britain, 1; Italy, 3; United States, 7.*
  The defendant, in an attempt to mitigate his sentence, pleaded that he had recently, on doctor’s orders, gone off his medications; that his car –– which, incidentally, he had won in the late 1970s on Let's Make a Deal –– had spontaneously caught on fire; and that he had not eaten for several days.*

特許英訳においては、上記例文のように各項目が非常に長くなったり複雑になることが頻繁に起こるため、各項目をセミコロンで区切ることは明確性を担保する上で有益と思われます(『特許の英語表現・文例集』においても、この用法でのセミコロンの使用が推奨されています**)。

*The University of Chicago Press. The Chicago Manual of Style, 16th ed., 2010, p.312.
**「セミコロンを使用することで、長文の複雑な記載が理解しやすくなり、構造が明確になる。項目を列挙するときに、項目間をセミコロンで分離すること。特に、項目の中にコンマや節が含まれている場合は有効である。」
W.C. ローランド, 奥山尚一, N. マッカードル, J.T. ムラオカ, 時國滋夫. 特許の英語表現・文例集. 講談社サイエンティフィク, 2004, pp.98-99.

 

上記のように、セミコロンを使うと複雑な文章が読みやすくなることは確かですが、実務家のなかには、文書中でセミコロンを使うことを嫌う人もいます。

 

-英文明細書マニュアル

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