コラム特許翻訳:関係代名詞①~thatとwhichを使い分ける~


関係代名詞thatとwhichの使い分けについて見ていきます。アメリカ英語では,thatを限定用法として使用し,whichを非限定用法として使用することが推奨されています(限定用法と非限定用法については、『特許翻訳者のための米国特許クレーム作成マニュアル』の[77]を参照)。

In polished American prose, that is used restrictively to narrow a category or identify a particular item being talked about {any building that is taller than must be outside the state}; which is used nonrestrictively – not to narrow a class or identify a particular item but to add something about an item already identified{alongside the officer trotted a toy paddle, which is hardly a typical police dog}.※1

米国出願用の英文明細書においては,このルールに従ってthatとwhichを使い分けることが推奨されます。

・限定用法の例1:トランジスタは,3つの端子をもつデバイスである。
・上記ルールに従った訳例:A transistor is a device that has three terminals.
・上記ルールに反した訳例:A transistor is a device which has three terminals.
・限定用法の例2:湿度が当該装置に及ぼす影響を分析する。
・上記ルールに従った訳例:analyze the influence that humidity has on the device
・上記ルールに反している訳例:analyze the influence which humidity has on the device
・非限定用法の例:
特許出願は,バージニア州アレクサンドリアにあるUSPTOに提出しなければならない。
・上記ルールに従った訳例:A patent application must be filed in the USPTO, which is located in Arlington, Virginia.

このように,whichは非限定用法として使用されるため,この場合whichの前には必ずコンマ等が必要となります。例外として,例えばin whichのようにwhichの前に前置詞がある場合は,限定用法として使用する(コンマなしで使用する)ことができます。

Which should be used restrictively only when it is preceded by a preposition {the situation in which we find ourselves}. Otherwise, it is almost always preceded by a comma, a parenthesis, or a dash.※1

なお,イギリス英語では,上記のようなthatとwhichの使い分けは行われていない(つまり,限定用法でwhichを使用することがある)といわれています。

In British English, writers and editors seldom observe the distinction between the two words.※1

※1: The University of Chicago Press. The Chicago Manual of Style, 16th ed., 2010, p.298.

本コラムは、『特許翻訳者のための米国特許クレーム作成マニュアル』から一部を抜粋したものです。


カテゴリ: コラム特許翻訳

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