Episode 2: What Do 102 and 103 Mean?
シーン紹介
東西電機工業の知的財産部。米国で審査中の出願について、Office Action(拒絶理由通知)が届きました。初めて読んだ田中は、条文の番号の意味が分からず、佐藤と山本弁理士に聞きます。
登場人物
- 佐藤 正樹(Masaki Sato):東西電機工業 知的財産部。国内外の出願を長く担当してきたベテラン。真顔で皮肉を言うが、後輩の質問にはきちんと付き合う。
- 田中 結衣(Yui Tanaka):東西電機工業 知的財産部(入社3年目、知財部1年目)。特許実務を勉強中。まじめで、言葉を文字どおりに受け取ってしまうことがある。
- 山本 雅子(Masako Yamamoto):弁理士・山本国際特許事務所。国内外の出願を数多く扱う。段取りと記録に厳しく、条件や例外を必ず確かめる。
102条・103条とは?
- 米国特許法102条(新規性):発明が新しいこと(新規性)を求める条文です。クレームに書かれた要素がすべて、1つの先行技術(特許公報、論文、販売された製品など)にすでに示されていれば、新規性がないとされ、特許を受けられません。日本の特許法29条1項(新規性)にあたります。
- 米国特許法103条(自明性):発明が簡単に思いつけるものでないこと(非自明性)を求める条文です。1つの先行技術にすべてが示されていなくても、その分野の通常の知識を持つ人(a person having ordinary skill in the art)が出願の時点で簡単に思いつけた発明は、特許を受けられません。日本の特許法29条2項(進歩性)にあたります。
- 例:クレームが「A+B+C」の場合
- 文献1に A・B・C がすべて書かれていれば、102条の拒絶になります。
- 文献1に A・B、文献2に C が書かれていれば、2つを組み合わせて103条の拒絶になることがあります。ただし、審査官は、なぜ組み合わせるのかという理由を示す必要があります。
- Office Action が届いたら:通常は3か月以内に応答します。延長料金を払えば、最長6か月まで延ばせます。応答では、反論したり、クレームを補正したりします。
実践ダイアログ:102条、103条って何?(What Do 102 and 103 Mean?)
[場所:東西電機工業 本社 知的財産部 会議室]
Tanaka:
The Office Action rejects our claims under 102 and 103, and I'm lost.
(Office Actionで、うちのクレームが102条と103条で拒絶されていて、さっぱり分かりません。)
Sato:
Under 102, the Examiner is saying a single reference already shows everything in our claim.
(102条では、審査官は「1つの文献に、クレームの内容がすべて書かれている」と言っているんです。)
Yamamoto:
And under 103, the Examiner is saying our claim would have been obvious to someone skilled in the field.
(103条では、審査官は「その分野の専門家なら簡単に思いつけた(自明だった)」と言っているんです。)
Tanaka:
Does this mean we can't get a patent?
(これって、特許は取れないということですか?)
Sato:
No, it means the real work starts now.
(いいえ、本番はこれからという意味です。)
Key Phrases
- reject ... under ...: 〜条に基づいて拒絶する。拒絶の理由になった条文を under の後に置きます。
- I'm lost.: さっぱり分かりません。話についていけなくなったときの一言。
- reference: 引用文献。審査官が拒絶の根拠として挙げる特許公報や論文などのこと。
- would have been obvious: (有効出願日の時点で)自明だったはずだ。米国特許法103条の条文と同じ言い方です。
- the real work starts now: 本番はこれからだ。
実践ダイアログの英語音声
英語音声は、Episode 1 のみ公開しています。
この会話を使った練習方法の一例については、Episode 0:シャドーイングを使った練習方法の一例をご覧ください。
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