Episode 3: How Do We Respond?
シーン紹介
東西電機工業の知的財産部。前回、「本番はこれから」と言われた田中。いよいよ、その本番です。エアコンの温度センサーに関する出願について、引用文献を読み終えたチームが、102条と103条の拒絶にどう反論するかを話し合います。
登場人物
- 佐藤 正樹(Masaki Sato):東西電機工業 知的財産部。国内外の出願を長く担当してきたベテラン。真顔で皮肉を言うが、後輩の質問にはきちんと付き合う。
- 田中 結衣(Yui Tanaka):東西電機工業 知的財産部(入社3年目、知財部1年目)。特許実務を勉強中。まじめで、言葉を文字どおりに受け取ってしまうことがある。
- 山本 雅子(Masako Yamamoto):弁理士・山本国際特許事務所。国内外の出願を数多く扱う。段取りと記録に厳しく、条件や例外を必ず確かめる。
102条・103条の拒絶にどう反論する?
- 102条への反論:102条の拒絶は、クレームの要素がすべて1つの引用文献に示されていなければ成り立ちません。審査官が「引用文献のこの箇所に、クレームのこの要素が書かれている」と指摘したときに、「実際には書かれていない」と反論するのが、よく使われる方法です。
- 103条への反論:主な方法は2つあります。1つは、引用文献を組み合わせる理由がないなど、審査官の論理の誤りを指摘する方法です。もう1つは、予想外の効果や商業的な成功など、発明が自明でないことを示す証拠を出す方法です。
- 予想外の効果(unexpected results):最も近い先行技術(closest prior art)と比べて、予想以上に優れていることをデータで示します。日本の進歩性の審査でいう「引用発明と比較した有利な効果」に近い考え方です。
実践ダイアログ:拒絶にどう応える?(How Do We Respond?)
[場所:東西電機工業 本社 知的財産部 会議室]
Sato:
The Examiner says Figure 3 of the reference shows our temperature sensor position, but the sensor in that figure is in a different spot.
(審査官は、引用文献の図3にうちの温度センサーの位置が示されていると言っていますが、その図のセンサーは別の位置にあります。)
Tanaka:
What about 103?
(103条のほうはどうですか?)
Sato:
That one is harder, but we might be able to show unexpected results.
(そちらは難しいですが、予想外の効果を示せるかもしれません。)
Tanaka:
Unexpected results, like my cooking?
(予想外の結果って、私の料理みたいなものですか?)
Yamamoto:
Not that kind; we mean results that are surprisingly better than the closest prior art.
(そういう意味ではなく、最も近い先行技術と比べて、予想以上に優れた結果のことです。)
Key Phrases
- What about ...?: 〜はどうですか? 話題を次のものに移すときの聞き方です。
- in a different spot: 別の位置に。spot は「特定の場所・位置」を表す、会話でよく使う言葉です。
- unexpected results: 予想外の効果。103条の拒絶に反論するときの証拠の一つです。
- Not that kind.: そういう意味ではありません。相手が別の種類のものを思い浮かべているときに使います。
- closest prior art: 最も近い先行技術。予想外の効果は、これと比べて示します。
実践ダイアログの英語音声
英語音声は、Episode 1 のみ公開しています。
この会話を使った練習方法の一例については、Episode 0:シャドーイングを使った練習方法の一例をご覧ください。
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