Should We Schedule an Examiner Interview?
シーン紹介
東西電機工業株式会社の知的財産部。
前回のミーティングでクレーム補正の方針を固めた佐藤たちは、「審査官インタビュー制度」の活用を検討しています。この制度について、弁理士の山本と米国弁護士のリードが、実務的な利点や注意点を語ります。
登場人物紹介
- 佐藤 正樹(Masaki Sato)
東西電機工業 知的財産部。国内外出願の実務経験が豊富。 - 田中 結衣(Yui Tanaka)
東西電機工業 知的財産部。入社3年目。特許実務を勉強中。 - 山本 雅子(Masako Yamamoto)
日本弁理士。山本国際特許事務所所属。国内外出願を多数扱う。 - Michael Reed(マイケル・リード)
米国特許弁護士。バージニア州の知財法律事務所Reed & Holt LLP 所属。
審査官インタビュー
米国出願では、審査官とのインタビュー制度(Examiner Interview)が設けられており、OA応答前または後に審査官と直接コミュニケーションを取ることが可能です。この制度を活用することで、拒絶理由の真意を把握し、的確な応答方針を立てることができます。特に、102条や103条の拒絶理由に対して補正や主張で対応しようとする場合、事前に審査官の考えを聞くことが実務上非常に有効です。
また、審査官との面談によって、誤解の解消や補正意図の説明が可能となり、OAの発行を回避できる場合があります(MPEP§713)。
実践ダイアログ(英文+日本語訳)
[場所:東西電機工業 本社 知的財産部 会議室]
Sato:
We’ve drafted the amendment. But before we submit it, I’m wondering... Should we consider an Examiner Interview?
(補正案はできましたが、その前に……審査官インタビューを検討すべきでしょうか?)
Tanaka:
I’ve heard about that, but is it really helpful?
(それ、聞いたことありますが、本当に有効なんですか?)
Reed:
Definitely. Interviews can give you insight into how the examiner is thinking. Sometimes, a quick chat can save you a full OA cycle.
(とても有効ですよ。審査官の考え方を直接聞けますし、ちょっとしたやりとりでも、OAを1回分省略できることもあります。)
Yamamoto:
Right. Especially when the rejection is borderline or based on interpretation, an interview helps clarify things.
(そうですね。拒絶理由が微妙な判断だったり、解釈の違いに基づいている場合、話すことで見えてくるものがあります。)
Tanaka:
I see. And how do we request one?
(なるほど。それってどうやって依頼するんですか?)
Reed:
If we’re planning an interview, we’re encouraged to use the USPTO’s Automated Interview Request Form, which is available online. But if needed, we can also reach out by email, phone, or even submit a written request.
(インタビューを予定する場合は、USPTOの自動インタビュー申請フォームの利用が推奨されています。これはオンラインで利用できます。必要に応じて、メールや電話、または書面で申請することも可能です。)
Tanaka:
Do we need to prepare anything in advance?
(事前に何か準備が必要ですか?)
Yamamoto:
Yes. We usually submit an agenda. It helps the Examiner prepare, too.
(はい、通常はアジェンダ(議題)を提出します。審査官も準備ができますからね。)
Sato:
Then let’s go for it. If it increases our chances, it’s worth it.
(それならやってみましょう。成立の可能性が上がるなら、やる価値がありますね。)
語注・重要表現
- Examiner Interview:審査官インタビュー(審査官との面談制度)
- insight into how the examiner is thinking:審査官の考えを読み取る手がかり
- save you a full OA cycle:OAの一巡を回避できるという意味。
- borderline:判断が微妙な、ぎりぎりの
- interpretation:解釈、判断基準
- agenda:議題、打ち合わせ事項
- go for it:やってみる、思い切って行動する(カジュアル表現)
実践ダイアログの英語音声
※音声ファイルについては、現在調整中です。準備が整い次第ご案内いたします。
シャドーイングの練習方法
シャドーイングとは、音声を聞きながらほぼ同時に声に出して復唱する練習法です。リスニング力とスピーキング力を同時に鍛えることができ、特に発音、イントネーション、英語のリズム感を身につけるのに効果的です。
まずは音声を数回聞いて内容を把握したうえで、次の手順で練習してみましょう。
- 英文スクリプトを見ながら、音声に合わせて真似して話す。
- スクリプトを見ずに、音声だけを聞いて発話してみる。
- 録音して自分の声を聞き、発音や抑揚をチェックする。
本コンテンツの登場人物・企業・団体・会話内容等はすべて架空のものであり、実在の人物・企業・団体等とは一切関係ありません。
本コンテンツは、特許実務や英語表現の学習を目的として構成されたものであり、実際の特許手続き等に関する判断は、必ず専門の弁理士・弁護士などの助言を受けてください。
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